巨人・菅野の恩師、横井人輝氏が語る「礎」 苦しい時ほど強い…浪人の経験、コロナ禍でも生かした

[ 2020年6月20日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人3―2阪神 ( 2020年6月19日    東京D )

東海大時代の横井監督(左)と菅野
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 東海大で指導し、現在はBBC(ベースボールコミュニケーション)野球教室でヘッドコーチを務める横井人輝元監督(58)が、菅野の「礎」を語った。努力を積み重ねた浪人時代の苦労が右腕を成長させたと回想。新型コロナの逆境下で、さらなる飛躍を遂げると断言した。

 実戦ができないという状況の中で、彼は大学浪人という選択をした。プロ野球OBやいろいろな方から批判を浴びる非常に苦しい選択でした。ただ、僕も、彼も、全く問題ないと思っていた。実戦は遠ざかるけど、それ以上の収穫を得る努力を彼はしていた。

 1年間という先が見えない中で不安も、自信もありました。今回(コロナ禍による延期期間)も、違う形で前が見えない状態だった。それを照らし合わせながら、浪人時代の経験を生かしたのだと捉えています。置かれている状況は違えど、彼の中で思い出したところがあるのでは。

 1年時は普通の投手と感じていました。腕を振ってスライダーは投げることができていたけど「このままプロ野球」とは考えられなかった。2年時に大学日本代表で、トップ選手と接したことが一つのきっかけだと思います。プロで成績を残すな、と思ったのは4年生になってからです。

 リーグ戦で打たれて負けることもあった。自分がダメなときにステップできるからプロでも連敗しない。逆境に立たされてはい上がってきた。勝って上っていったというより、環境と苦しい経験から大きくステップした。

 最後に会ったのは昨年の夏すぎですね。腰痛に一番苦しんでいるときで、私も一番心配している時期だった。でも「もう大丈夫ですから」と言うんです。こちらは「大丈夫じゃねーなと思いながら」ね。弱い部分は、絶対彼は見せないですよ。

 人とは違う野球人生を送り、非常に苦しい思いをした。だからこういう(コロナ禍で)苦しい時は強い。今年はとても楽しみです。テレビで顔つきを見ていてもちょっと違う。体を健康にして、みんなに夢を与えられるような選手を目指しながら、もっともっと上にいってもらいたい。親心ですね。陰ながら応援していきたいです。

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2020年6月20日のニュース