星稜・林大陸 父と臨む最初で最後の甲子園は全力初球勝負「お父さんの方が苦労してた…感謝したい」

[ 2020年8月15日 18:30 ]

2020年高校野球交流試合   履正社10―1星稜 ( 2020年8月15日    甲子園 )

 遠くて近い父子の甲子園だった。ベンチとグラウンド。星稜の背番号10、林大陸(りく=3年)は屈託のない笑みをこぼした。

 「ぶつかったり、上手く行かないことも多くて難しかった。だけど、お父さんの方が苦労してたと思う。今は感謝したいです」

 父である和成監督(45)と過ごしてきた3年間。両親から「行きたい道を進め」と言われ、覚悟を決めて星稜に進学した。選手と監督。分かっていてもグラウンドで、どうしても父親として見てしまって「何でや」と何度も思った。親子の感情を排除するのに「2年かかった」という。副主将に指名された昨年から割り切れた。

 履正社と昨夏の決勝の再戦。ベンチスタートの大陸は三塁コーチャーを務め、誰より大きな声を出した。「自分がふてくされたらチームに影響する」。劣勢で伝令に出たときには和成監督の「星稜のモットー“必笑”を忘れてないか」という言葉を伝え、みんなで笑った。そして出番は7回2死無走者からの代打。初球、139キロ直球を打って二ゴロだった。「悔いを残したくなかったので初球から行った。後悔はありません」。父子で試合に臨む最初で最後の甲子園だから、ひたむきに全力を尽くした。

 8回からは二塁の守備にも就いた。父は1年先輩の松井秀喜氏と三遊間を組んで甲子園に出場。遊撃手だった父とはポジションが違うが「同じ甲子園で感じるものがあった」と言った。試合は1―10の完敗。でも、甲子園を心底楽しんだ。

 「帰ったら、お父さんには今までの感謝を伝えたい」。熱く燃えた一瞬の夏。和成監督と大陸選手は、再び父と子に戻る。

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