近江 夏3連覇 エース田中が多賀監督に直訴し完投 県内30連勝で後輩にバトン

[ 2020年8月15日 05:30 ]

滋賀大会決勝   近江6-1水口東 ( 2020年8月14日    皇子山 )

滋賀県大会決勝<近江・水口東>優勝を決めマウンド上で喜び合う田中(中央)ら近江ナイン(撮影・河野 光希)
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 各都道県高野連が開催する代替大会は14日、2大会で計13試合が行われた。滋賀では決勝があり、近江はエース田中航大投手(3年)の1失点完投の力投で3年連続優勝を飾った。

 幼少期からの夢をかなえた。今大会から近江のエースナンバーを背負う田中は9回2死から最後の打者を「持ち味」の外角真っすぐで三振に仕留めるとマウンドで3度ほえ、歓喜に浸った。

 「優勝の瞬間にマウンドに立っていることに憧れてきた。ただただうれしい。最高の高校野球人生になった」

 昨秋は3番手で島滝悠真ら後輩に後れを取った。コロナ禍でアピールできない中、黙々とトレーニングを積んで力を付け、最後の夏は数少ない好機を生かして背番号1をつかんだ。初戦の2回戦から全5試合で先発したが、準決勝まで完投はなし。この日も2回に1点を失うなど前半はリズムに乗れず、多賀章仁監督(60)から5回終了後に「あと1イニング」を宣告されたが「このまま終わるのは嫌です。背番号1を付けている。最後まで投げさせてください」と続投を志願。6回以降は一人の走者も許さない圧巻投球に、指揮官も「エースの投球を見せてくれた」と目頭を熱くした。

 今秋ドラフト候補の土田龍空(りゅうく=3年)が注目される中、この日も2安打2打点した久保田陽成ら今大会からメンバー入りした3年生が次々に活躍。先輩の威厳を示し18年夏から続く県内連勝を30まで伸ばし、後輩にバトンを託した。 (吉村 貢司)

 ▼近江・土田龍空(木製バットで臨み3打数無安打)大会を通じて苦しみ対応できないまま終わった。この悔しさを忘れずに練習して、憧れとなるプロ野球選手になりたい。

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