阪神・藤浪 “痛恨”森下にダメ押し打食らう…685日ぶり勝利ならず

[ 2020年8月15日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神0-6広島 ( 2020年8月14日    京セラドーム )

<神・広(9)>5回表無死、西川に四球を与えて顔をしかめる藤浪(撮影・北條 貴史)
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 阪神は14日、広島戦に0―6で敗れ連勝は2でストップした。2年ぶりに3連戦の初戦を託された藤浪晋太郎投手(26)が、初回に3失点するなど序盤から不安定な投球。立ち直ることができず6回8安打6失点で降板した。今季4度目の登板でも白星をつかめず、4連敗となった。 

 託された責任の重さが手元を狂わせたのか。2年ぶりに3連戦初戦のマウンドに上がった藤浪は、立ち上がりから精彩を欠いた。

 「初回に大事に入り過ぎたところを打たれてしまい、出はなをくじかれてバタバタしてしまいました」

 プレーボールが宣告された直後の初球を西川に中前へ運ばれると、羽月には犠打をさせず追い込みながらヒッティングに変更されて左前打。1死一、三塁で迎えた鈴木誠には146キロのフォークを落ちきる前に捉えられ、左前適時打を許した。

 先制の1点だけで何とか粘りたかったが、リズムをつかめない。1死一、二塁から松山には155キロの直球を痛打され左中間への2点適時二塁打。いきなりの3失点は、好投手・森下の攻略を期していた打線にも重くのしかかった。

 3回に1点を失ったものの、4回から5回にかけては今季、さえ渡るフォークを織りまぜて計5三振を奪うなど立ち直ったかに見えた。しかし、苦投を象徴する落とし穴は6回に待っていた。

 2死二塁で田中を申告敬遠で歩かせ投手・森下との勝負を選択した。確実にアウトを奪って、追加点を防ぎたい場面。だが、カットボールが中途半端な高さとなってしまう。三塁線を破られる2点適時二塁打で、試合の行方は決してしまった。

 「自分のピッチングを取り戻す前に降板してしまい、チームに申し訳ないです」

 修正を試みながら、ズルズルと失点を重ね、今季最多の117球は不完全燃焼に終わった。矢野監督も初回の失点に加えて、投手に痛打された場面に苦言を呈した。

 「(初回は)1点で粘ってくれたらね。3点っていうのはちょっと重い。(森下の適時打は)あそこに飛ぶってことはボールが甘いってこと。外にしっかり投げたり、低めに投げたらあんなところに飛ばないでしょ」

 今季4度目の登板でも、685日ぶりの白星は手にできなかった。前回までは着実に投球内容も良化し、期待が膨らんだ中でまさかの今季ワーストと言える投球で4敗目。打線の援護に恵まれない試合の連続も指揮官は「自分で勝たすっていうところは必要になってくる」と自力で勝利をつかむ姿を望んだ。この試練を乗り越えてこそ、背番号19は輝きを取り戻せるはずだ。(遠藤 礼)

 ▼阪神・福原投手コーチ(藤浪の投球に)ストライク先行ができず、苦しい投球になった。(立ち上がり)慎重になる部分は投手なら誰でもあることなので、なかなか難しいことになりますが、慎重かつ大胆にいってくれれば。(次回は)ストライク先行で力強い真っすぐを投げ込んでいってほしい。そういった真っすぐがあってこそ、変化球も生きてくるので。

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