“完全男”槙原寛己氏 「細心に細心に」だった小川投球 ノーノー確信した8回のしぐさとは

[ 2020年8月15日 22:48 ]

セ・リーグ   ヤクルト9―0DeNA ( 2020年8月15日    横浜 )

 ヤクルトの小川泰弘投手(30)がプロ野球史上82人目の無安打無得点を達成した。本紙評論家で巨人での現役時代の1994年5月18日の広島戦では平成で唯一の完全試合も達成した槙原寛己氏(57)が、135球の熱投を解説した。

 凄いものを見せてもらったよ。ありがとう。そして、おめでとう。チームの連敗が続いていた中での快挙。1週間前に同じ今永との対決で初回2点もらいながら5回4失点で逆転負けを喫している。絶対に負けられない。エースの自覚、プライド。立ち上がりから鬼気迫る投球だった。

 丁寧に低めを突く投球。勝負の早い左打者にはボールになるチェンジアップから入り、初球にストライクを取ったら、2球目は必ずボール気味に投げる。ファウルにしてくれて0―2になるケースはあったが、決して勝負を急がなかった。真っすぐを内角に投げるときはほとんどボール球。勝負球と見せ球をはっきり分けていた。「大胆かつ細心」ではなく「細心に細心に」。大差がついても雑にならず、石橋を叩いても渡らない投球だった。

 最大のヤマ場は8回。先頭の倉本に10球粘られて四球を与え、さらに併殺と思われた遊ゴロが二塁手・広岡の捕球ミスで無死一、二塁に。すでに今季最多投球数を超えていたが、帽子を取って謝る広岡に対し、顔色一つ変えず「気にするな」というしぐさ。さすがエースという姿を見て、やりそうだなと思った。

 捕手の西田との呼吸もピタリと合っていた。サインを出す“間”が初回から9回まで同じ。サインを出しながら話しかけているようで、26年前の私の完全試合もそうだった。村田真一が投げたい球を要求してくれた。小川は5回あたりから意識したと言ってたけど、私もそのくらいからだったなあ。古い記憶を呼び起こしてくれたことにも感謝したい。(スポニチ本紙評論家)

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