南果歩 絵本作家デビュー 波瀾万丈の人生経験もとに10年前から書きためる

[ 2022年12月8日 05:10 ]

絵本作家デビューする南果歩
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 女優の南果歩(58)が絵本作家デビューする。文章を手掛けた絵本「一生ぶんの だっこ」(講談社、絵・ダンクウェル)がきょう8日に発売される。子グマの「ぼく」がさまざまな思いを経験するたび、お母さんグマにだっこをしてもらう物語。「心許しあえる人とのスキンシップの大切さを伝えたい。そんな癒やしの絵本です」と笑顔を見せた。

 元々、息子とのコミュニケーションツールとして、絵本を読み聞かせていた南。2011年の東日本大震災発生以降は、被災地の保育園や幼稚園、小児病棟を訪れ、ライフワークとして続けてきた。新型コロナ下でもリモート朗読を行ったが、映像に残ってしまうなどの理由から出版社の許可が下りず、使用できる絵本が減少。そんな時、10年ほど前から書きためていた詩を“絵のない絵本”として読み始めた。

 「意外なことに大人から“泣いちゃいました”とか、反響が凄かった。大人の心をケアするような、今を生きる全ての人の支えになるような絵本を作りたい!そう思いました」

 昨年秋ごろから絵本化に向けて本格稼働。音読をしながら流れやリズムを確認し、文章をブラッシュアップした。「コロナ下でなければ、生まれなかったかもしれない作品ですね」と話した。

(第2弾も鋭意制作中/) これまで2度の離婚、シングルマザー、乳がんなど、さまざまな困難を乗り越えてきた。「自分が経験したことは、全部栄養に。そんな私だからこそ、触れ合いの中の幸福感を表現したかった」と振り返る。波瀾(はらん)万丈の人生を歩んできたからこそ「信頼できる人を見つけることが、誰にとっても心を健康に保つ秘けつだと思う」と語った。

 現在、第2弾を制作中。女優業も続けていき、今後は二足のわらじを履いて活動する。「苦しい経験や現実を忘れる、清涼剤のような物語を書いていきたい」と力を込めた。 (小田切 葉月)

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2022年12月8日のニュース