「鎌倉殿の13人」注目の最終回 番組CP言及「今思い出しても涙」キャストもスタッフも「一様に驚いた」

[ 2022年12月8日 04:30 ]

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」最終回(第48話)の1シーン。北条義時(小栗旬・右)の運命は――(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)のファンミーティングが7日夜、東京・渋谷のNHKホールで行われた。イベント終了後、制作統括の清水拓哉チーフ・プロデューサー(CP)が取材に応じ、注目の最終回(第48話、12月18日)について言及した。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は大河8作目にして初主演に挑んだ。

 ドラマは昨年6月9日にクランクイン、10月25日に全撮影を終了した。

 クランクアップに際し、清水CPは同日、「小栗さん最後の撮影となった最終回のラストシーン。もはや小栗旬ではない北条義時の、手負いの獣のような姿に、見ていて窒息しそうになりました。『もう政子になれないのが悲しい』。小池栄子さんはそう言って泣きました。スタッフみんなも泣きました。誰一人、クランクアップしたくない作品でした。退場していった者たちの思いを胸に、残された者たちが最後まで鎌倉で命を燃やします。最終章、是非お楽しみに」とコメント。

 6月中旬、取材会に出席した三谷氏は「大河ドラマは3作目ですが、自分の中の決まりとしては、主人公の人生が終わる時が最終回だと思っています。理想は、主人公が息を引き取った瞬間にドラマが終わる。それが、僕にとって理想の大河ドラマですね。実際、今までの2作はほぼそうなりました。その理想に今回もたどり着けるか分からないですけど、今言えるのはそれぐらいですかね」と語っていた。

 三谷氏は10月9日に放送されたトーク特番「『鎌倉殿の13人』応援感謝!ウラ話トークSP~そしてクライマックスへ~」にVTR出演。発言が進んだ。

 「これは凄く悩んだんですど、義時の人生を描くにあたって、最後、彼はどこに到達するんだろうか。それは、物語として最後に何を描くかと同じことなんですけども、僕が思った以上に、義時は結果ダークになっていくんですよね。色々な人の死に関わっていった彼が最後、幸せに亡くなっていいんだろうか、という思いが凄くあって。やっぱり、彼なりの最後というものをきちんと描くべきじゃないかという感じがしての最終回ですね。だから、あんまりない、大河ドラマではない、主人公のラストシーンになる…なった気がしますね。僕なりにドキドキしましたね。あ、こういう終わり方なんだ。でも、この終わり方しかないんだなっていう」

 物語は、江戸幕府まで続く強固な武家政権樹立を決定づけた義時と朝廷の“最終決戦”「承久の乱」(1221年、承久3年)へと向かう。感謝のファンミーティング終了後、清水CPは最終回について「ラストシーンが非常に注目されていますが、そこに至るまでも、ある種の日本の歴史の転換点が凄く人間くさく描かれます。テーマとしては大きな話なんですけど、実際に(当時の人々の)目の前で起こっていたことは非常に人間くさいことだったのかもしれない、ということが見えてきます」。義時の“最期”については「その解釈をめぐっては、キャストもスタッフもみんな色々な考えを持ちました。それが義時にとってどういう意味を持つのか。ただ、みんな一様に驚いたのは驚いたと思います」と明かした。

 「義時がかわいそうで、愛おしくてならなかった。今思い出しても涙が出てきます。意外性はありますが、そこに関しては三谷さんは驚かせようと思って書いたんじゃない、と僕は想像しています。このドラマの北条義時のあるべきラストを丹念に考え抜かれた結果そうなった、ということだと思います」と締めくくった。

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