晩年の瀬戸内寂聴さん 「99の最後の最後まで現役作家」連載5本 “ニンジン作戦”も 秘書が明かす

[ 2022年5月16日 14:58 ]

瀬戸内寂聴さん
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 昨年11月に死去した作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(享年99)の秘書を務めた瀬尾まなほさんが16日放送のテレビ朝日系「徹子の部屋」(月~金曜後1・00)にゲスト出演。晩年の寂聴さんの様子を明かした。

 寂聴さんを10年間にわたって支えた瀬尾さん。寂聴さんは生きていれば今月100歳を迎えるはずだった。瀬尾さんは「99の最後の最後まで現役作家でしたね」と振り返った。

 司会の黒柳徹子が「連載も持ってらした。自分で引き受けちゃうんですって」と明かすと、瀬尾さんは「そうなんです。私の知らないところで電話で編集者の方と話して引き受けてしまって」と困り顔。「そんな毎月毎月これ以上増えたら、本当に大変ですよ」ということもあったが、寂聴さんは「知らない。そんときはそんときだ」といったような感じで平気だったとした。

 何本連載を持っていたのかと聞かれると、「最後、99の時は5つ」と瀬尾さん。原稿は万年筆で手書きしていたとし、原稿も公開。「よく編集者の方とか慣れてなかったら読めなかったりして、たぶん瀬戸内が生きてたら、“こんな汚いのを出さなくて、もっときれいなのを出してよ”って私怒られるんじゃないかと思うんですけど」と苦笑。「やっぱり執筆している姿をよくそばで見てきたので、原稿用紙を見ると思い出します。本当にペン一本で生きてきたって本人も言ってますけど」としみじみと話した。

 黒柳が「コロナ下の自粛生活でだんだん書くネタがなくなったって困ってらしたんですって」とも語ると、「いつも何気ない会話の中からいろんなものを吸収して、それを小説として描いていたので、来客がなかったりすると、随想にしても“何書こうか”というのがありましたね」と瀬尾さん。

 そのため寂聴さんはなかなかエンジンがかからず、締め切り当日に部屋に行っても寝ていることも多かったとし、「そんな時は“じゃあきょうの夜ご飯はピザにしましょう”“お肉食べましょう、だから先生速く書いてください、そうしないと私先に食べますよ”みたいなことを言って」励ましたという。すると寂聴さんは「じゃあ頑張ろう」と執筆に励んだとし、「本当に可愛かったです」と目を細めた。

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