八千草薫さん 小磯良平が描いた25歳当時の肖像画が宝塚ホテルで展示 「宝塚OGと認識して」

[ 2021年11月29日 14:50 ]

八千草薫さんの肖像画複製パネルの展示除幕式に出席した’宝塚歌劇団の(左から)朝月希和、彩風咲奈、木場健之理事長
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 一昨年10月に88歳で亡くなった女優の八千草薫さんを昭和を代表する洋画家の小磯良平が描いた肖像画の複製パネルが29日、兵庫県宝塚市の宝塚ホテルで展示公開され、宝塚歌劇団の雪組トップ・彩風咲奈、雪組トップ娘役・朝月希和、木場健之理事長らが除幕式に出席した。展示は来年1月末まで。

 八千草さんは同歌劇団出身。小磯が1956年に描いた油彩画「婦人像」のうち、和装姿で当時25歳の八千草さんをモデルにした。前年、八千草さんがヒロインを演じて公開された日本とイタリアの合作映画「蝶々夫人」。同作を視聴し、感銘を受けた小磯が「週刊朝日」の表紙モデルとして制作した。

 神戸市立小磯記念美術館の岡泰正館長は「(小磯の神奈川県)逗子のアトリエで、ほとんど徹夜」での制作だったと指摘。当時多忙な2人、しかも締め切りのある週刊誌の表紙という条件が背景にあったという。作品は小磯のサインが未記入。「完成品でない味わい、気品をうまく捕まえられたとの気持ちがあったのだろう」と小磯は未完成のまま、アトリエに置いてあったという。

 「映画での活躍があって宝塚歌劇団出身ではないと思われているかもしれないが、大先輩だったと改めて認識してもらえれば」。木場氏は同歌劇団の記憶が後世へと引き継がれることを願い、歓迎した。

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2021年11月29日のニュース