村上宗隆「ちょっとバントが頭をよぎった」も…栗山監督から「ムネに任せた。思い切って行ってこい」

WBC準決勝   日本6―5メキシコ （ 2023年3月20日    米・マイアミ ）

＜日本・メキシコ＞サヨナラ打を放ち大喜びで栗山監督（左）と抱き合う村上（撮影・光山　貴大）
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　第5回ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）は20日（日本時間21日）、米マイアミの「ローンデポ・パーク」で準決勝が行われ、日本とメキシコが対戦した。村上宗隆内野手（23＝ヤクルト）が「5番・三塁」で先発。第5打席で逆転サヨナラ打を放ち、6―5で勝利。2009年の第2回大会以来の決勝進出を果たした。

　試合後の会見で村上は「悔しい思いをしてましたけど、何とか最後は修正して打てました」と振り返った。4打席凡退で迎えた5打席目の心境について聞かれると「翔平さんが塁に出てくれて、正尚さんが四球でつないでくれたので、少しちょっとバントが頭をよぎった」というが、城石内野守備走塁兼作戦コーチから栗山監督が「ムネに任せた。思い切って行ってこい」と言っていたことを伝えられたことを明かした。

　自身の打球については「もしかしたら入るんじゃないかと思ったけど、パワーがなかったので手前で失速してしまった。ランナーが周東さんだったので、サヨナラになりました」と振り返った。

　また、前の打席で三邪飛だったものの「感覚的にはいいものがあった」と予兆があった。その感覚を信じて打席に立ち「初球を振ったときにちょっと前にスウェーしてるなとか、いろんなことを打席で冷静に感じられた」と焦りや重圧はなかったとした。

　9回先頭の大谷が右中間二塁打で出塁。吉田正尚の四球で無死一、二塁の場面で第5打席が回ってきた。第1打席は空振り三振、第2打席は見逃し三振、第3打席は空振り三振、第4打席は三邪飛。まったくタイミングがとれていなかったが、第5打席でようやくとらえた。

　メキシコ守護神のガエゴスのカウント1―1からの3球目、真ん中高めの直球を振りぬいた打球は中堅手の頭を超えた。二塁走者の大谷、そして一塁走者の周東も本塁へ駆け込む逆転サヨナラ打。メットを放り投げ、右手でガッツポーズを作った村上は、ナインにもみくちゃにされ、栗山監督と抱き合った。