中畑清氏 WBC準決勝でカギ握る継投 栗山監督に求む勇気ある決断

[ 2023年3月21日 05:30 ]

練習を見つめる栗山監督(撮影・光山 貴大)
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 【キヨシスタイル】私史上最高。WBCにのめり込んでいる。侍ジャパンの試合だけじゃない。準々決勝のメキシコ―プエルトリコ、ベネズエラ―米国もテレビの前でくぎ付けにされた。いずれも終盤の逆転劇。盛り上がったねえ。

 今大会は侍ジャパンに大谷、ダルビッシュというメジャーリーグを代表する選手が参加してくれてさ。日系人のヌートバーという三拍子そろった新しいスターも加わった。これまで野球に興味がなかった人までとりこにしてるんだよね。

 日本のファンの野球の楽しみ方、応援マナーの素晴らしさも改めて感じたね。準々決勝、キューバ―オーストラリア戦が行われた15日の東京ドーム。外国同士の試合になんと3万5061人のファンが集まった。純粋に国際野球を楽しみたいファンがこんなにいるんだよ。

 翌16日は日本が5大会連続のベスト4を決めたイタリア戦。この試合は東京ドームで見た。試合前のメンバー紹介。イタリアのピアザ監督が出てきたとき、大歓声が湧いた。現役時代、日本人メジャーリーガーのレジェンド、野茂英雄さんとバッテリーを組んだ捕手を敬意をもって迎え入れたんだ。いい光景だった。感動したよ。

 さあ準決勝。世界から注目を浴びている中で日本は勝ちきれるか。鍵を握っているのは継投。栗山監督の勇気ある決断に期待したい。

 準決勝で当たるメキシコ、決勝で待つ米国は先発メンバー全員がメジャーリーガー。これまで当たってきた打線よりレベルが一段も二段も上と覚悟しなきゃいけない。

 準決勝は先発の佐々木朗から今永を挟んで山本由伸か。負けたら決勝には進めない。ここまで投手陣の無理使いは一切していないからね。全員が休養十分。状況に応じて惜しみなく第2先発、中継ぎ要員を投入してほしい。

 決勝は準決勝で投げなかった投手は全員つぎ込める。極端な話をすれば、1人1イニングの火の玉継投で目先を変えることもできる。大谷も決勝に限ってはリリーフ登板の可能性が出てきたみたいだしね。世界一継投…。ワクワクする。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2023年3月21日のニュース