中日ドラ1・仲地 “不運な判定”への返しに感じた人間力 躍動する気配漂う

[ 2023年3月21日 07:15 ]

19日、楽天とのオープン戦で力投する中日先発の仲地(撮影・椎名 航)
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 「切り替えられなかった自分がよくなかったと思います。自分がどんどんストライクを取っていければ気にならなくなると思う。そういうことに一喜一憂されないように」

 シャイな性格で伏し目がちに語る姿とは反対に、言葉には、もうしっかりとプロ意識が詰まっていたから驚いた。中日のドラフト1位・仲地礼亜投手だ。

 前代未聞といっていい出来事だった。先発した3月19日の楽天戦。初球、先頭・辰己からスライダーで空振りを奪った。しかし、球審はスイングストライクのコールをしなかったため、そのまま試合が進んでしまいボール判定に。2球目はボール。初球空振りなのにカウントは2ボール。異変に気付いた立浪監督が球審に詰め寄ったが判定は覆らず。リズムに乗れる訳がない。結果的に辰己にはストレートの四球となり、その後1死一、二塁で浅村に2点二塁打されるなど初回だけで、47球も費やした。

 世間一般の職業に比べて短い現役生活。常に引き際を意識して、1球が人生を左右しかねない覚悟で戦う。もちろん審判も人間で、あってはならないことだが、間違える可能性はある。それでも本拠地先発デビュー戦という緊張のマウンドで、いきなり不満の一つも言いたくなるだろう事案に遭った心境を尋ねた。“初球の判定は、すぐに自分の中で消化できるものなんですか?”と。その返しが冒頭の言葉だった。審判への配慮も含まれているかのような対応に、“ルーキーで、なかなか言えることではない”と素直に尊敬した。

 2回以降はツーシームやスライダーなど変化球を操り許した安打は1本だけ。多彩な球種と完成度の高い投球フォームで4回を4安打5奪三振だった。トップクラスの選手は往々にして、“人間力”も備えているもの。近い将来、ドラ1右腕が主戦投手の一人として躍動する気配が漂っている。(記者コラム・湯澤 涼)

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