福島敦彦氏　大阪桐蔭・前田はエースとして一試合を逆算　崩れる気配が全くなかった

第95回選抜高校野球大会第3日・2回戦   大阪桐蔭3―1敦賀気比 （ 2023年3月20日    甲子園 ）

＜大阪桐蔭・敦賀気比＞力投する大阪桐蔭・前田（撮影・須田　麻祐子）
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　【福島敦彦の迫球甲子園】スコア的には接戦だったが、大阪桐蔭・前田君の存在感が際立つ一戦でもあった。7、9回を除き毎回走者を背負ったが、崩れる気配は全くといっていいほどなかった。

　2年生だった昨年は2季連続で甲子園のマウンドを経験。投球内容自体は昨年もすばらしいものがあったが、味方に安心感を抱かせるまでのものはなかった。だが、この日は走者を背負っても表情一つ変えず、ピンチでは変化球、真っすぐともに、より厳しいコースに制球できていた。134球を要したが打順が一回りするごとに配球を変え、打者との対峙（たいじ）ではタイミングも変えるなどエースとして一試合を逆算し、投げ切るんだという覚悟も見てとれた。

　敦賀気比は1失策こそあったが、随所に好守もあり甲子園常連校らしく、レベルの高さを感じた。夏に向け、十分に期待がもてるチームだ。（報徳学園、慶大、中山製鋼元監督）