広島・松山 4番の意地弾 最下位転落も“月に向かって打った”技あり一撃

[ 2020年10月2日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3-5巨人 ( 2020年10月1日    マツダスタジアム )

<広・巨(18)>4回1死一塁、松山は右中間に2点本塁打を放つ (撮影・奥 調)
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 広島・松山竜平外野手(35)は1日の巨人戦で、0―4の4回に6号2ランを放つ意地を見せた。4試合連続で起用された4番での今季初本塁打だった。しかし、来日初先発のスコットが4回4失点で3敗目。今季最多の借金13に逆戻りし、9月7日以来の最下位転落となった。

 月に向かって打った。0―4の4回1死一塁。カウント1―2からのサンチェスの直球が内角高めに浮く。逃さずに仕留めた松山の打球は、右中間席最前列まで伸びていった。

 「中秋の名月」の10月1日。1年間で最も月が美しいとされる日である。右翼上空では、月が黄金色に光っていた。滞空時間の長い打球。4番での今季初アーチは、月まで伸びていこうとする「ムーンショット」だった。

 「1打席目はフォークに三振した。それを頭に入れながら、いい反応で対応できた」

 朝山打撃コーチが、この一発の奥深さを説明する。「フォークがいい投手。直球のタイミングで入ると、それを振らされる。松山は、フォークを待って真っすぐに反応した。これは技術がないとできないこと」。技ありの2ランで、昨季の6本塁打に並んだ。

 「3番不在」を解消しようと、鈴木誠、松山の4、5番を繰り上げて4試合目になる。4番は、昨季23試合経験した。昨季の場合は、主に3番だったバティスタがドーピング検査の陽性反応で離脱したことで「3番・鈴木誠」「4番・松山」が緊急採用された。今季は、西川の故障が影響している。2年連続の打順変更。共通するのは、状況を打開できる鈴木誠とのコンビは、松山の他にいないということである。

 「打順どうこうではなくいつも通りやる。どんな打順でも任されたところで、自分の打撃をできるように心がけていきたい。1打席1打席チームが勝てるようにしたい」

 今季最多の借金13に逆戻りし、佐々岡監督は「昨日の勝ち方で乗ってくれれば…というところだったけど。いつも言っているように、一つずつ(借金を返す)という気持ちでやっていくしかない」と悔やんだ。月見日和に、心は晴れない最下位再転落となった。 (河合 洋介)

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2020年10月2日のニュース