亀山つとむ氏 藤浪の快投引き出した梅野の一発 2点リードが剛球の呼び水に

[ 2020年10月2日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神2-0中日 ( 2020年10月1日    甲子園 )

<神・中(18)>7回1死、左中間にソロ本塁打を放ち、小さくガッツポーズの梅野(撮影・北條 貴史)
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 【亀山つとむ 視点】160キロを連発した阪神・藤浪のインパクトが強烈でしたが、その快投を引き出したのは7回の梅野の本塁打でしょう。

 中日は逆転を視野に入れ、7回に勝ちパターンの福を投入。そこで出た梅野の一発は非常に効きました。1点差と2点差ではマウンド上での心の持ちようが全然、違うはず。藤浪が160キロを投げるくらい腕を振れたのは2点のリードがあったからこそ。復帰戦の選手会長が素晴らしい働きをしてくれました。

 藤浪はこれまで自分のために投げていた印象が強いですが、今はリレーで言う中間走者の立場。いい意味でも悪い意味でも責任感を感じながら投げているでしょう。今後、先発に復帰した際には中継ぎ陣への思いも違ってくるはずです。これで守護神スアレスの前は当分、藤浪で行くことになると見ます。今はとにかく、最大の武器である速球に磨きをかけながら、修羅場をくぐってほしい。その経験が先発復帰した際に必ず生きるはずです。

 投手陣の台所事情が厳しい中、岩田が好投し先発復帰した梅野が一発を打ち藤浪が160キロを投げて勝ちました。スコアは地味でも内容は派手。本来の阪神の勝ち方は、このスタイルだと思います。

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