オリックス 名将・西本幸雄氏にざんげの50敗目 53年前の優勝記念日に痛恨の逆転負け

[ 2020年10月2日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス6-7西武 ( 2020年10月1日    京セラドーム )

<オ・西21>6回無死、二塁ゴロの大下は気迫のヘッドスライディングで内野安打にする(撮影・井垣 忠夫)
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 オリックスは1日の西武戦を、阪急、近鉄などを率い8度のリーグ優勝を果たし、今年に生誕100年を迎えた名将・西本幸雄氏の功績に敬意を表し「誇り高き闘将~西本幸雄メモリアルゲーム~」と題して開催した。10月1日は西本氏が率いる阪急が67年にリーグ初優勝を飾った日で、この日は当時のユニホームを復刻させ、指揮官の背番号「50」をチーム全員が背負って戦ったが、試合は逆転負けを喫した。

 何としても勝ちたかった。名将の生誕100年を記念し実施された一戦で12球団最速の「50」敗目。阪急としての最終戦だった1988年10月23日に山田久志氏とバッテリーを組んだ中嶋監督代行の言葉には重みがあり、悔しさがあった。

 「すごいレジェンドたち、OBのみなさんがつないできたチーム。いい試合をというか、何とか勝ちたかったんですけどね」

 誤算は1点リードの8回だった。勝利の方程式の一角を担うヒギンスが中村に同点打を許し山川に勝ち越し2ランを浴び3失点。今季2度目の4連勝を逃し、指揮官は「野球は難しいですね、やっぱり」と絞り出した。

 阪急、近鉄などを率いて8度のリーグ優勝を果たすなど監督通算1384勝を誇った西本氏の生誕100年の節目。当初は誕生日の4月25日に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期。10月1日は53年前に闘将が阪急を指揮し初優勝を決めた縁深い日で、試合前や7回攻撃前には阪急応援歌が場内に響いた。

 チームは7月28日から最下位に沈む。最後のリーグ優勝は96年で現12球団で最も長くリーグVから遠ざかる。0―3の5回に吉田正の右前適時打などで一挙4得点で一時逆転。9回にはT―岡田が12号ソロを放ち反発力を示したが、勝利には結びつかなかった。

 中嶋監督代行は「勝つチャンスがあるのなら、最後まで勝ち切りたいし、もう1回、追加点を取るという点で何とかできた気はしますね」と言った。意地を見せただけでは物足りない。「勇者」の完全復活こそが鎮魂歌となる。 (湯澤 涼)

 ▽67年阪急、初のリーグ優勝 10月1日、優勝へのマジックナンバー2で東映とのダブルヘッダー(西京極)に臨んだチームは、第1試合を13安打10得点の猛攻で勝利。連勝か、同日マジック対象の西鉄が敗れれば優勝の第2試合は、序盤に3点を先制も4、5回に先発の梶本がつかまり7失点。ただ、5―11の7回裏の攻撃前に西鉄敗戦の一報が入り優勝が決まった。試合は8回日没コールド、8―11で敗れたが、西本監督は選手やグラウンドになだれ込んだファンの手で何度も宙に舞った。

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