【ゴルフ女子】“いつも通り”貫いた稲見萌寧のメンタルの強さに感心―小田美岐の目

[ 2021年8月7日 21:11 ]

東京五輪第16日 ゴルフ女子最終日 ( 2021年8月7日    埼玉・霞ケ関CC=6648ヤード、パー71 )

リディア・コと健闘を称え合う稲見萌寧(AP)
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 表彰台の一番高いところに1打届きませんでしたが、稲見選手はとても価値のあるメダルを日本にもたらしてくれました。明暗を分けたのは首位タイで迎えた最終18番。池越えの第2打を距離がギリギリ合うクラブで狙って、グリーン手前のバンカーに入れてしまいました。あと2~3ヤード飛んでいればチャンスについていた可能性もあり、紙一重の結果で仕方がなかったと思います。

 プレーオフの18番では、リディア・コが第1打を右バンカーに入れたのとは対照的に狙い通りフェアウェーのやや左サイドに打っていきました。普通は力んでガツンと打ったり、逆に緩んだりしてスイングがよどんだりするものですが、いつも通りのリズムでいつも通りのショットを打っていました。そのメンタルの強さには、改めて感心させられました。

 世界ランクトップ10の選手が全員出場する厚いフィールドの中で、銀メダルを獲れたのは本当に凄いことです。その背景には日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長が中心となって、国内ツアーの4日間の試合を増やすなどして選手の強化を図ってきた成果もあると思います。彼女の活躍は五輪の代表権を争った古江彩佳選手を始め、日本選手みんなの励みになるはずです。

 最終日の畑岡選手はパッティングの距離感が合っていない感じでした。ショットもラフに入れてしまう場面もあり、調子のピークを五輪に合わせようとして、それがうまくいかなかった印象です。彼女は五輪への思い入れが誰よりも強くあった。本来の実力を持ってすれば、表彰台に上がっていても不思議ではありませんでした。

 喪失感は大きいと思いますが、まだ22歳、パリ五輪の時も25歳です。今年はまだメジャーの全英女子オープンもあります。少し休養を取って、次の目標に向かって進んでもらえたらと思います。(日本女子プロゴルフ協会専務理事)

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