×

【スケートボード】小野塚彩那 半年後の北京も3年後のパリも歩夢くんが見たい 日本史上5人目夏冬出場

[ 2021年8月7日 09:00 ]

スケートボード男子パーク予選で14位敗退の平野
Photo By スポニチ

 【メダリストは見た 小野塚彩那】スケートボードの男子パークで冬季五輪スノーボードハーフパイプ(HP)2大会連続銀メダリストの平野歩夢(22=TOKIOインカラミ)は予選14位となり、上位8人による決勝進出を逃した。それでも日本史上5人目の夏冬両五輪出場を果たした二刀流の挑戦は、見ている人の心を打った。14年ソチ五輪フリースタイルスキーHP銅メダリストの小野塚彩那(33)は胸躍らせたその滑りに、半年後に迫る北京冬季五輪と3年後のパリ夏季五輪出場の可能性を見た。

 まず歩夢くんの東京五輪出場自体、凄いことですし、本当に素晴らしいことです。雰囲気も道具も違う中、夏冬両方の五輪に出場したことに意味があります。心から拍手を送りたい気持ちです。

 決勝には進めませんでしたが、生き生きとした表情が印象的でした。1本目に転倒がありましたが、今やれる全てのことを2本目にしっかり詰め込んできました。歩夢くんの持ち味でもあるエアの高さもあり「やりきったな」というのが率直な感想です。スノーボードのHPもそうでしたが、2本目にきっちり合わせてくるあたりが歩夢くんらしく、さすがだなと感じました。

 スケートボードとスノーボードは似て非なる物です。共通点はありますが、全くの別物。冬季五輪のスノーボードHPで3度の金メダルを獲得し、一時期は東京五輪出場を目指していた米国のショーン・ホワイト選手ですらこの舞台に立てなかったことを考えれば、こうやって歩夢くんが出場したこと自体に大きな価値がありました。事前のインタビューを拝見すると、“まだ世界のレベルに追いついていない”と分析している中でのチャレンジでしたが、私にはかなり刺激的なランに映りました。

 私はソチ、平昌の2大会に歩夢くんとともに出場しました。凄く物静かで、淡々と黙々と練習をこなす姿を思い出します。ソチの時、歩夢くんは15歳。まだあどけない少年のような印象でしたが、数々の世界大会を経て迎えた平昌の時には貫禄すら漂っていました。銀メダルを獲得した翌日、たまたま宿舎のエレベーターでお会いし、祝福させていただきました。その時も物静かで、“ありがとうございます”という感じでした。普段からおとなしく、穏やかなところはあまり変わっていません。

 東京五輪が1年延期されたことにより、北京冬季五輪までの準備期間が半年しかありません。難しいチャレンジになりますが、昨年の雪上での映像などをチェックすると、ブランクを感じさせない滑りを披露していました。今年4月の全日本選手権では、現在世界No・1と言われる戸塚優斗選手の次につけてきました。日本のレベルは相当高く、世界大会は誰が勝ってもおかしくないメンバーがそろっています。限られた練習時間のはずなのに、全日本選手権で2位に入ってくるポテンシャルには脱帽するしかありません。北京冬季五輪の代表争いにも絡んでくることでしょう。今回は悔しい気持ちもあるでしょうけど、先を見据えると、惜しんでいる時間もないのではないでしょうか。

 私もアスリートとしてオリンピックという舞台で戦ってきたのですが、今大会はさまざまな競技をテレビで観戦するたびに涙します。選手のインタビューの受け答えを聞いているだけで泣いてしまいます。各国選手の奮闘に感動をいただいていて、自分が出場していた時もこうだったのかな?と想像しながら観戦しています。スポーツ以外にこれだけ人の心を動かすことって、なかなかないのではないでしょうか。10代選手の台頭も目立ちますが、歩夢くんにもまだまだ頑張り続けてほしいと願っています。

 彼にとって、東京五輪はゴールではないはずです。冬季五輪の金メダル獲得が最大の目標になると思いますが、3年後に控えるパリ夏季五輪の出場だって可能性はゼロではないと感じています。両方の競技を高いレベルで続けていくことが簡単ではないことを理解しているつもりですが、一ファンとして北京でもパリでも見たい。そう思わせてくれる選手です。

 ◇小野塚 彩那(おのづか・あやな)1988年(昭63)3月23日生まれ、新潟県南魚沼市(旧塩沢町)出身の33歳。2歳からスキーを始め、湯沢高、専大とアルペンに取り組む。11年春にフリースタイルへ転向し、13年世界選手権と14年ソチ五輪で銅メダル。17年世界選手権で金メダルを獲得し、18年平昌五輪で5位入賞。現在はフリーライドスキーに転向し、日本人女性として初めてワイルドカードを獲得した。

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2021年8月7日のニュース