歴史変えた!女子バスケ日本決勝進出 金獲りへホーバス監督「心から自信」8日米国と決戦

[ 2021年8月7日 05:30 ]

東京五輪第15日 バスケット女子準決勝   日本87ー71フランス ( 2021年8月6日    さいたまスーパーアリーナ )

 フランスに勝利し決勝進出を決め、喜ぶ日本の選手たち=さいたまスーパーアリーナ
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 準決勝で世界ランク10位の日本が同5位のフランスに87―71で快勝し、バスケットボールで男女通じて初メダルを確定させた。3点シュートを駆使した全員バスケで欧州の強豪を翻弄(ほんろう)。1次リーグで4点差で競り勝った難敵を16点差で返り討ちにした。決勝は東京五輪最終日の8日、午前11時30分ティップオフ。金メダルを懸けて、同1位で6連覇中の絶対王者・米国と激突する。 

 無観客の会場に響いた怒号が目標の高さを象徴していた。第4Q残り53秒で16点リード。初メダル獲得が確実な状況で、トム・ホーバス監督(54)が声を荒らげた。「集中しろよ!」。世界ランク5位のフランスに快勝したが、決勝進出では満足しない。終盤は高田、町田ら主力を休ませ、中1日で待つ金メダルマッチに照準を定めた。女子五輪史上最多記録の18アシストを記録した町田は「米国は強いが、自分たちの力を100%出せば勝てない相手ではない」と言い切った。

 日本バスケの歴史を変えたチームにスターはいない。今大会は身長1メートル93のエース渡嘉敷が故障でメンバー落ち。平均身長1メートル76は、出場12チーム中2番目に低い。インサイドに選手を配置しない5アウトのシステムを採用し、3点シュートと、成功率の高いペイントエリア内にシュートを集中させる戦術を徹底。中間距離の“ロング2”はこの試合も3本しかなかった。誰もが、どこからでも3点シュートを狙えるのが最大の強み。全12選手が得点を挙げ、全員バスケを貫徹した。

 サイズの不利を補うため、頭も徹底的に使う。100を超えるフォーメーションを全選手が記憶しており、相手や戦況に応じて臨機応変に使い分ける。この日も午前練習で新たなフォーメーションが加わり、実際に試合で採用された。3点シュートを量産できるのも、多彩な引き出しがあるからだ。高田主将は「練習は心拍数的にも頭的にも、相当きつい。正直、試合の方が全然、楽」と笑う。

 決勝の相手は6連覇中の米国。1次リーグで17点差で敗れているが、今の日本には絶対王者をものみ込む勢いがある。17年1月の就任会見で米国出身のホーバス監督は「夢は東京五輪の決勝で米国と対戦して金メダルを獲ること」と宣言。4年半前の言葉を実現するまで、あと1勝に迫った。「心から金メダルを獲れる自信がある。恐れはない。世界最高のステージで最高のバスケを見せたい」。決勝は2020TOKYOの最終日。最高のフィナーレをつかみ取る。

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2021年8月7日のニュース