AS井村監督 五輪は「これが最後」と明かす「若いコーチたちにも譲るべき」

[ 2021年8月7日 21:23 ]

東京五輪第16日   アーティスティックスイミング・チーム・フリールーティン ( 2021年8月7日    東京アクアティクスセンター )

チーム・フリールーティンの演技を終えた選手たちを迎える井村雅代監督(中央)
Photo By 共同

 アーティスティックスイミング(AS)チーム・フリールーティン(FR)で、日本(乾、吉田、木島、京極、塚本、福村、安永、柳沢)は94.9333点で4位に終わった。前日のテクニカル・ルーティン(TR)との合計も188.3106点で4位。銅メダルを獲得した16年リオデジャネイロ五輪に続く、2大会連続のメダルを逃した。

 井村雅代監督(70)はASが正式種目になった84年ロサンゼルス以降の全五輪で監督を務め、今回が10大会目。中国を指揮した08年北京五輪、12年ロンドン五輪を含めた過去9大会は全てメダルを獲得し、銀5個、銅11個を手にしてきたが、TOKYOで初めて表彰台を逃し、今大会限りで日本代表監督の座を退く意向を示した。

 競技後、井村監督は今回の五輪を「特別なオリンピックでした」と語り「これを経験して、初めてこれまでは短期決戦だったんだと。本当の意味での長期の強化をした。その間には経験したことない中を超えてきたから、本当に私にとって特別なオリンピック」と語った。

 さらに、次回の3年後のパリ五輪への抱負を聞かれると「私はこの五輪で五輪は終わりにしたいと思っている。気がつけば10回という感じ。一区切りつけて、次のコーチに譲りたい。五輪はスポーツのコーチの目標で、コーチ冥利に尽きる場所。“独り占めはあかんやろ”と思いました。もう十分に独り占めしましたけど」と説明。「オリンピックの舞台は次のコーチに譲って、このスリルとドキドキ感とプレッシャーの中で7やりきる充実感を味わってほしい」と後進に監督の座を譲るとした。

 また、自身が井村ASクラブを経営していることから「自分のクラブもあるので、これからASとどう関わっていくのかゆっくり考えたい」「私の中でASは欠かせないものなので」と語った。愛弟子の乾友紀子(30)がソロで来年5月の世界選手権福岡大会に出場する意向を示していることからコーチとして日本代表に残る可能性はある。

 ◇井村 雅代(いむら・まさよ)1950年(昭25)8月16日生まれ、大阪府出身の70歳。小学3年生で大阪府堺市の浜寺水練学校に入門。中学1年生でシンクロを始めた。天理大卒。78年から日本代表コーチ。シンクロが正式種目になった84年ロサンゼルス五輪から6大会連続メダル獲得に貢献し04年アテネ五輪を最後に退任。06年中国代表コーチに就任し08年北京五輪、12年ロンドン五輪で連続メダル獲得。13年英国代表コーチ。14年日本代表コーチ、15年同監督に就任。16年リオデジャネイロ五輪で、デュエット、チームを銅メダルに導く。

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