前田穂南 悔し33位 序盤は先頭引っ張るも…「後半、練習できなかった部分も出たかなというのはある」

[ 2021年8月7日 09:11 ]

東京五輪第16日 陸上女子マラソン ( 2021年8月7日    札幌市内 )

レース序盤、先頭を走る前田(ロイター)

 女子マラソンで日本代表の表彰台はならなかった。日本の前田穂南(25=天満屋)は2時間35分28秒で33位だった。

 レースを終え、前田は呆然とした表情ながらも「1年延期となって、調整など難しい状況の中だったけれど、無事に大会開催されて最後まで走り切れてよかったと思います」と述べた。

 序盤はレースを引っ張り「自分のリズムを作っていこうと思って、周りに左右されず走っていこうと思ってたんですけど。後半、練習できなかった部分も出たかなというのはありました」と振り返った。1年の大会延期となり「コンディションとかモチベーション保つの難しかったですが、無事大会に出られたことがよかった。また次に向けて頑張りたいと思います。このような状況の中ですが、自分の走りで勇気をもらってくれたらうれしいなと思います」と話した。

 前田はスタート直後に集団の先頭に立つと、5キロ過ぎでも集団の前方をキープ。20㎞手前、先頭集団のペースが上がり、やや遅れ始めた。中間点では先頭集団が1時間15分14秒で通過。前田は24秒差の1時間15分38秒、25位で通過した。30キロ地点を先頭から2分25秒差の1時間48分29、28位で通過していた。

 大坂薫英女学院では3年間補欠だった。全国高校駅伝を一度も走っていないが、厳しい練習環境を求め実業団の名門、天満屋へ進んだ。寡黙だが「長い距離が好き。マラソンがしたかった」という強い信念を持っていた。努力する才能で能力を伸ばし19年9月のマラソングランドチャンピオンシップを2時間25分15秒でぶっちぎり優勝。東京五輪代表内定をゲットした。

 昨年、五輪延期が決まっても「延期された1年は、また強化できる期間。ポジティブに捉えてやっていきたい」と前向きだった前田。1年4カ月ぶりに42・195キロを走った今年1月の大阪国際女子マラソンでは2時間23分30秒と自己記録を18秒更新。5月に東京五輪のマラソンテスト大会を兼ねて行われた札幌チャレンジハーフマラソンは5位だったが、コースの確認に重点を置いて走った。「コースは凄く曲がり角が多かったり、道路の車線が広かったり、最短距離の位置取りも大切になってくると思った」と分析していた。

 17年北海道マラソンで優勝を飾った思い出の地でベストを尽くし、走り切った。

 ◆前田 穂南(まえだ・ほなみ)1996年(平8)7月17日生まれ、兵庫県尼崎市出身の25歳。小学校ではバスケットに取り組み、園田東中から陸上部。強豪の大阪薫英女学院3年時は全国高校駅伝初優勝も補欠。高校卒業後の15年に天満屋入社。17年1月の大阪国際でマラソンデビュー。2時間32分19秒で12位だった。19年9月のマラソングランドチャンピオンシップを2時間25分15秒で制し、東京五輪代表に内定。1メートル66、46キロ。

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