越川一紀氏が語る男子走り幅跳び決勝のポイント 橋岡メダル獲得の鍵は“1回目にファウルしないこと”

[ 2021年8月2日 05:30 ]

男子走り幅跳び予選で8メートル17をマークした橋岡優輝の1回目(共同)
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 陸上男子走り幅跳び予選を3位で通過した橋岡優輝(22=富士通)が2日の決勝で、日本人選手実に85年ぶりのメダルに挑戦する。橋岡は安定して8メートル超えをマークしており、1936年ベルリン五輪で銅メダルを獲得した田島直人以来となる表彰台の可能性は十分だ。元順大陸上部総監督で跳躍ブロックの指導を務めた越川一紀氏(65)に勝負のポイントを聞いた。

 橋岡選手の予選の跳躍から、メダルも見えてくると思いました。予選の記録で3番以内に入れるとは思いませんが、ある程度軽く跳んでの8メートル17。決勝は日本記録の8メートル40くらいを出せたら表彰台の可能性はあると感じています。

 橋岡選手はここまでの試合でファウルが多い、という点を心配していました。4月の織田記念、6月の日本選手権といずれも2回連続のファウルで、あわや落選という状況に追い込まれていました。

 今回はよく練習をこなし、修正してきたと思います。予選を見ると、前半を楽に走りながら中盤でスピードを上げ、足を合わせていました。踏み切り線まで0・4センチという完璧な跳躍で、1本目で8メートル17を記録したことから、調整がうまくいっている感じをうけました。

 メダル獲得の鍵はやはり1回目にファウルをしないこと。決勝1回目でどういう跳躍ができるかに注目してください。1回目で8メートル10~20を跳んでしまえば、4回目以降も試技を続けられるベスト8に残る確率は高まります。もちろん予選と決勝では別物。狙いすぎてしまうと、記録というものは出ません。私が指導する110メートル障害代表の泉谷駿介(21=順大)には「7割に抑えて、勝とうと思ったら失敗する」といつも言っています。予選で成功したから決勝も成功すると思ったら難しい。楽に跳んで、記録を狙おうと意識しないことです。

 決勝は午前中に行われます。通常、陸上の大会ではあまり考えられませんが、日本人選手には勝つチャンスが増すのではないでしょうか。朝早く起きて、朝食を食べ、朝練習をして本番に挑む。外国人選手は意外ときちっとした生活が苦手です。記録は出にくい条件で、番狂わせが起きる可能性もあります。

 メダル争いのライバルを挙げれば、きりがありません。予選で良くなかった選手も決勝ではしっかり記録を出してきます。ただ、強い選手でも緊張するのが五輪という舞台。橋岡選手は五輪は初出場ですが、ユニバーシアード、世界ジュニア選手権で金メダルを獲っており、19年のドーハ世界選手権では日本人初の8位に入賞するなど大舞台の経験を積んでいます。何度も繰り返しますが、とにかく1回目にファウルをしないこと。それさえクリアすれば、良い結果が出ると思います。(元順大陸上部総監督)

 ◇越川 一紀(こしかわ・かずのり)1956年(昭31)1月23日生まれ、千葉県出身の65歳。76年モントリオール五輪男子走り高跳び代表。走り高跳びの元日本記録保持者。順大では男子棒高跳び日本記録保持者の沢野大地や女子走り幅跳び前日本記録保持者の花岡麻帆らを指導した。現在は男子110メートル障害代表の泉谷駿介(順大)の専任コーチを務めている。

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