田中希実が日本新で準決勝進出「日本記録を出せば準決勝に行けると思っていた」陸上女子1500

[ 2021年8月2日 10:05 ]

東京五輪第10日 陸上女子1500メートル予選 ( 2021年8月2日    国立競技場 )

東京五輪陸上女子1500メートル予選で日本新記録を出し、準決勝に進出した田中希実(中央=AP)
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 田中希実(21=豊田自動織機TC)が女子1500メートル予選3組に出場し、4分02秒33の日本新で4位に入り、4日の準決勝に駒を進めた。卜部蘭(26=積水化学)は自己ベストを2秒以上更新する日本歴代4位の4分07秒90で9位で予選落ちした。女子1500メートルで日本選手が五輪に出場するのは初めて。

 田中は、スタートとともに先頭に立ち、トップ集団を引っ張り、ラスト1周も粘り抜いて4位に入り、準決勝進出を決めた。7月30日の5000メートル予選はスローペースの中、自己ベストを更新したが、ラストスパート勝負で順位を落として0秒38差で決勝進出を逃した。その反省を生かし、序盤からレースをつくった積極策が奏功した。

 レース後、田中は「日本記録を出せば準決勝に行けると思っていた。自分の目標通りのタイムで準決勝に進むことが出来てよかったです」と笑顔。ラスト1周について「対応できていたとは言い切れないんですが、イメージとしては800メートルのラストのようにみんな固まっている中で自分もどれだけ粘るかっていう走りはできたと思う。1500メートルにずっとこだわってきて、ただ出場するだけではなく、こうして準決勝に駒を進めてしっかり前を見据えてレースをすることができたので今までの取り組みがやっと出てきているのではないかと思う」と振り返った。そして準決勝に向け「とにかく今回の予選でチャレンジしたからこその結果だと思うので準決勝もどんな結果になってもいいので、今の自分の力を出し切ってもう1回自己ベストを出すくらいのこのままの勢いでいけたらいいなと思います」と意気込んだ。

 一方、卜部はレース後、「今日はもう全力で戦って今の力が世界でどうなのかっていうのを肌で感じたいというのが1番だったので、本当にいろんな方から応援いただいて自国開催ということもあり、この1本に集中して準決勝につなげらるようにという思いで走りました」と振り返った。そして「ラスト1周で接触などがあって自分が行きたい位置で最後、先頭集団で勝負できなかったことが素直に悔しいと思ったので、またこの場でリベンジできるように力をつけて勝負したいと思いました」と話した。

 ◆田中 希実(たなか・のぞみ)1999年(平11)9月4日生まれ、兵庫県小野市出身の21歳。市場小―小野南中を経て西脇工へ進み、3年連続で全国高校駅伝の1区を走る。同志社大では陸上部に入らず、当初はND28アスリートクラブで活動し、チーム解散後に豊田自動織機トラッククラブに所属。19年ドーハ世界選手権5000メートル14位。20年は1500メートルと五輪非種目の3000メートルで日本新記録を樹立した。愛称は「のん」。趣味は読書。1メートル53、41キロ。

 ◆卜部 蘭(うらべ・らん)1995年(平7)6月16日生まれ、東京都出身の26歳。東京・白梅学園高―東京学芸大出、積水化学。19年アジア選手権1500メートル4位、銅年日本選手権800メートル、1500メートル2冠。21年日本選手権800メートル優勝、1500メートル2位。両親とも元中長距離の選手。1メートル67。

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