【M-1】王者ウエストランド M-1卒業に安堵「もう挑戦しなくていいんだと思うとうれしい」

[ 2022年12月18日 23:03 ]

M-1王者となったウエストランド
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 漫才日本一を決める「M-1グランプリ2022」を制したウエストランドが18日、大会終了後に会見に臨み、井口浩之(39)河本太(38)が喜びを語った。

 ファーストステージ、ファイナルラウンドとも、河本の繰り出す「あるなしクイズ」をもとにしたネタで、井口の怒りやうっぷんがネタを通じてにじみ出るような漫才で笑いを誘った。特にファイナルは、怒りがさらに増幅するような形で、恋愛映画からアイドル、さらには大阪のお笑い、R-1グランプリやM-1グランプリまでもぶった切り。各方面を敵に回しそうな?物議を予感させるネタではあったが、ジャッジは博多大吉以外の6人全員が支持した。

 来年で最後の挑戦だったが、その1年前でM-1との戦いにピリオドを打った。井口は「1回決勝に出たことがあるからといって、1回戦は余裕かといったらそうでもないし、常に緊張感があるから、本当に嫌でした」と、大舞台へ向かう重圧を吐露。「優勝して一番うれしいのは、M-1にもう挑戦しなくていいんだと思うとうれしい。とにかく予選が大変なので。良かったですね」と打ち明けた。河本も「もうちょっと予選の数を減らしていただけると」と笑わせた。

 今年は過去最多の7261組がエントリー。予選段階でEXIT、見取り図、インディアンス、阿佐ヶ谷姉妹、ミキなどが敗退するなど、レベルの高さと新時代の台頭を予感させる大会だった。井口は「たくさんの人たちが挑戦してますし、完全に風物詩になっている」とし、「芸人として売れたいとか、絶対売れてやるという気持ちはありましたけど、M-1のチャンピオンになる人生だとはあんまり思ってなかったので、そういう意味では意外だな」と、しみじみ語った。

 速射砲のように思いを言葉にしていく井口とは対照的に、トークも天然でポンコツ感も漂う河本は「僕はチャンピオンですけど、付いて来ただけですから」と井口に感謝。その上で「他の7000組の方の頂点だとは思ってないですね。僕のことをよく知っている人は、腹がちぎれるくらい腹立ってると思います」と打ち明けた。すると、井口から「表現、違うな。笑う時の表現やな」とツッコミを受けていた。

 優勝の瞬間は、河本のほおを涙がつたったが、井口は「ドン引きですよ」とバッサリ。河本には、泣かないよう前もって伝えていたという。「万が一、優勝しても、何もしてない、せりふもほとんどないやつが泣くみたいなのを散々、見てきましたから、そういうのはもういいから、“とにかく泣くな”という話だったけど、ビックリしました」。家族の顔が浮かんで思わず涙腺が緩んだという河本は、「かっこ悪かったですね」と苦笑いした。

 M-1王者といえば、優勝した瞬間に仕事が激増することでも知られるが、ネタの内容が内容だっただけに、井口は「大丈夫かな?こんなことばかり言ってて。いろんな人から狙われそうで怖い」と本音も口にした。

 一昨年に出場した際には、井口が「お笑いは今まで何もいいことが無かった奴の復しゅう劇なんだから」と話し、話題になった。その言葉と優勝した心境を照らし合わせ、「まだ分からないです。今後これでどうなっているか分からない。まだ1本も出てないわけですから。“ふざけんな!”みたいになってて、もうちょっといいことがあったら、復しゅうできたと思うかもしれない」と、複雑な気持ちを打ち明けていた。

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