【前回の鎌倉殿の13人】第47話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「政子 心魂の大演説!義時 滂沱の涙」

[ 2022年12月18日 08:00 ]

イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第47話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「政子 心魂の大演説!義時 滂沱の涙」
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は18日、最終回(第48話)「報いの時」が放送される。新進気鋭のイラストレーター・石井道子氏が描く“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)とともに前回の第47話(12月11日)を振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。物語は、江戸幕府まで続く強固な武家政権樹立を決定づけた義時と朝廷の決戦「承久の乱」へと向かう。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は大河出演8作目にして初主演に挑んだ。

 第47回は「ある朝敵、ある演説」。ついに後鳥羽上皇(尾上松也)が挙兵。自身追討の院宣に、北条義時(小栗)は自分の命と引き換えに、鎌倉を守る覚悟を決め、御家人たちを招集した。

 御家人たちがあふれ返る鎌倉御所・寝殿。義時が話し始めると「待ちなさい」と政子が現れた。

 政子「わたくしが皆にこうして話をするのは、これが最初で最後です。源頼朝様が朝敵を討ち果たし、関東を治めてこのかた、その恩は山よりも高く、海よりも…(大江広元の原稿を実衣に手渡し)本当のことを申します。上皇様が狙っているのは鎌倉ではない。ここにいる、執権義時の首です。首さえ出しだせば兵を収めると院宣には書かれています。そして義時は、己の首を差し出そうとしました」

 義時「姉上、もういい」

 政子「よくありません。わたくしは今、尼将軍としてしゃべっているのです。口を挟むな。鎌倉が守られるのならば、命を捨てようとこの人は言った。あなたたちのために犠牲になろうと決めた。もちろんわたくしは反対しました。しかしその思いは変えられなかった。ここで皆さんに聞きたいの。あなた方は本当にそれでよいのですか。確かに、執権を憎む者が多いことはわたくしも知っています。彼はそれだけのことをしてきた。でもね、この人は生真面目なのです。すべてこの鎌倉を守るため。一度たりとも私欲に走ったことはありません」

 実衣「それは、わたくしも知っています」

 政子「鎌倉始まって以来の危機を前にして選ぶ道は2つ。ここで上皇様に従って、未来永劫、西の言いなりになるか。戦って坂東武者の世をつくるか。ならば答えは決まっています。速やかに、上皇様を惑わす奸賊どもを討ち果たし、3代にわたる源氏の遺跡(ゆいせき)を守り抜くのです。頼朝様の恩に今こそ応えるのです。向こうは、あなたたちが戦を避けるために執権の首を差し出すと思ってる。馬鹿にするな。そんな卑怯者は、この坂東には一人もいない!そのことを上皇様に教えてやりましょう!」

 御家人たち「おう!」

 政子「ただし敵は官軍。厳しい戦いになります。上皇様に付きたいという者があれば、止めることはしません」

 泰時「そのような者が、ここにいるはずがございません。今こそ、一致団結し、尼将軍をお守りし、執権殿の下、敵を討ち払う。ここにいる者たちは皆、その思いでいるはずです。違うか!執権殿、これが上皇様への我らの答えです」

 政子と目が合うと、義時は涙を堪え切れない。

 今回の“大河絵”は歴史を動かした政子の自分の言葉、ついに報われた義時の涙、ようやく父と通じ合った泰時の咆哮を1枚に凝縮した。

 ◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画、ウェブマガジン表紙などを手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2021 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2021 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。ライブペインティングや即興似顔絵も各地で行う。

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