広島・菊池涼 あるぞ侍1番!視察の稲葉監督“神走塁”にほれた「状況判断も大事。すばらしい」

[ 2021年6月24日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5-8ヤクルト ( 2021年6月23日    マツダ )

<広・ヤ(9)>初回無死、左翼線二塁打が敵失を誘い三塁まで進んだ菊池涼(撮影・成瀬 徹)             
Photo By スポニチ

 東京五輪で金メダル獲得を目指す侍ジャパンの代表選手に内定している広島の菊池涼介内野手(31)が、23日のヤクルト戦で「神走塁」を披露した。初回、二塁打と敵失で三塁に進むと1死後、浅い中堅への飛球で一時同点となる生還を果たした。視察した侍ジャパンの稲葉篤紀監督からも絶賛され、東京五輪でも1番で起用される可能性が浮上した。

 最上級の走塁技術が「神走塁」を生んだ。1点を追う初回、三塁走者の菊池涼が1万6251人の観衆を驚かせた。小園の中堅への飛球は、定位置よりも前。ヤクルトの塩見は勢いをつけて捕球体勢に入っていたが、迷わず本塁へ突入。加速しながらも、送球が三塁寄りにわずかにそれたことを見逃さなかった。一塁寄りにヘッドスライディングして右手でベースにタッチ。同点の生還となった。

 「本来は外から回り込むけど、捕手の体勢が見えたので、一度、内に入ってヘッドスライディングした。それが最速だと思った。あれは、僕の中でもベスト(の選択)です」

 侍ジャパンの稲葉監督が視察した一戦。同監督からも「(本塁に)行くだろうな…と見ていた。スライディングもさすが。タッチが一番しにくいところに滑る。状況判断も(国際大会では)非常に大事ですから。すばらしい」と絶賛されるプレーだった。

 本番でも、目指す野球を体現できる男だけに稲葉監督からの期待も大きい。同監督は菊池涼の打順について「いま(チームで)1番を打っている。その日のベストの打順を決めていく中で、もちろん菊池選手が1番というのも考えられる」と言及した。

 19年11月の「プレミア12」では、8試合中7試合に先発し、2番5試合、9番2試合で起用された。チームで2番に固定されていた当時とは異なり、今季は主に1番を務めている。稲葉監督も、チームと同様に1番起用の構想を温めている中、菊池涼自身は「任されたところでやるだけ。自チームでも代表でもそこは一緒」と勝利のために最善を尽くすことを強調した。

 チームは3連敗で今季ワーストの借金14となった。「どんな状況でも全力でやるだけ。僕の中でやれることはやっているつもりだし、これからもそうしたい」。神走塁は、チーム状況に左右されることなく途切れない集中力を示していた。(河合 洋介)

 《稲葉監督マツダ訪問 侍6人と話す》侍ジャパンの稲葉監督がマツダスタジアムを訪れ、広島の鈴木誠、菊池涼、森下、栗林、ヤクルトの山田、村上の6人の代表内定選手らと話し込んだ。森下、栗林とは「ほぼ初対面」と言うが、森下には先発、栗林には終盤の救援と求める役割を伝えた。鈴木誠、村上は4番候補に挙がるが「今は4番を打てる候補が何人かいる。調子を見ながら決めていきたい」と見極める考えだ。

続きを表示

この記事のフォト

2021年6月24日のニュース