足震え、冷や汗を流した21世紀枠落選 栃木・石橋の「コバキャノン」小林到が進学校を初の聖地へ

[ 2021年6月24日 12:20 ]

栃木の抽選会を終えて笑顔を見せる石橋・小林到主将
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 第103回全国高校野球選手権(8月9日から17日間、甲子園)の栃木大会の組み合わせが23日、決まった。石橋は春夏通じて初の甲子園出場を目指す。

 1月29日。センバツに出場する21世紀枠の発表日だった。選出されたのは八戸西、具志川商、東播磨、三島南の4校。候補校だった石橋の主将・小林到捕手(3年)の「選ばれるだろう」という期待は砕かれ「冷や汗が止まらず、立っていることもつらかった」と振り返る。

 石橋は全校生徒の約半数が国公立大に進学する進学校。昨秋の県大会で作新学院を破り、関東大会に出場。小学生を対象に肩肘の検診を兼ねた野球教室を開催するなど、地域の野球人口普及に貢献したことも評価され、16年以来2度目の21世紀枠の候補に選出。だが、またしても聖地には届かなかった。

 小林は出場を逃したセンバツをテレビで観戦。昨秋の関東大会1回戦で6回無失点に封じられた東海大相模の左腕・石田隼都(3年)は甲子園で29回1/3を投げ、無失点のまま優勝投手になった。「石田投手は全国レベルでも打てないんだ」。聖地には立てなかったが、日本一の投手と対戦した経験が財産になっている。

 センバツ落選後はテスト期間で練習が休みになり「あれが良いリフレッシュになりました」。再始動後のチームは「“実力で甲子園に行こう”という思いが強くなった」。二塁送球完了1・8秒台の強肩を誇る小林も「戦いながら力をつけたい」と最後の夏に意気込む。

 夏は9大会連続で作新学院が王者に君臨。その強敵に昨秋は勝利したが「夏には比べものにならないくらい仕上げてくるチーム。挑戦者の気持ちで臨みたい」。両チームが勝ち進めば、激突する準決勝を見据える。初戦は7月13日の宇都宮清陵戦。ノーシードから夢へ再挑戦だ。(柳内 遼平)

 ◇小林 到(こばやし・いたる)2003年(平15)12月11日生まれの17歳。小学2年から野球を始める。国分寺中では軟式野球部に所属し、2年夏に全国大会出場。石橋では1年夏からレギュラー。二塁送球タイムは1・8秒台。高校通算3本塁打。50メートル走は6秒2。遠投110メートル。1メートル72、77キロ。右投げ右打ち。

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