山口 巨人復帰初登板1勝!“地方の鬼”本領 6回途中1失点の好投で4連勝導く

[ 2021年6月24日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人4―2DeNA ( 2021年6月23日    富山 )

<巨・D>巨人先発の山口(撮影・島崎忠彦)
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 2シーズンぶりに日本球界に復帰した巨人・山口俊投手(33=前ジャイアンツ傘下3Aサクラメント)が23日、今季初登板となったDeNA戦を白星で飾った。5回2/3を5安打1失点と粘りの投球。レギュラーシーズンでは19年9月20日の同カード以来、642日ぶりの勝利となった。チームは4連勝をマークし、首位・阪神に5ゲーム差に迫った。

 観客にとっては、夢破れたヒーローも味わい深い。山口は「ヤジが多いかも」と覚悟したが、違った。

 「温かい応援の中で投げられ、凄く楽しかったです。ホッとしてるのはしてるけど、実際はこれからが勝負」

 大リーグ移籍を決断した19年オフ。「少しふざけてるかもしれませんけど」と前置きした上で「とんねるず」の石橋貴明が出演した「メジャーリーグ2」を見たことが米球界を目指すきっかけと明かした。7歳だった94年に公開。個性派ぞろいの弱小球団が最高峰の舞台で快進撃する物語に「こういう世界もあるんだな」と憧れた。

 98年公開の3作目は3Aが舞台だった。山口も今季はメジャー昇格のチャンスに恵まれず3A暮らし。オフから体重を5キロも絞り、体調面は万全なだけに悔しかった。チーム合流から3日後のぶっつけ登板。原監督から「いきなり1軍でいこうじゃないか」と背中を押されて実現した。最速151キロ。1球目からセットポジションで丁寧に投げた。初回にソロを被弾も、5回2/3を1失点にまとめた。

 主役を演じたのは本拠地ではなく得意の地方球場。642日ぶりの日本球界勝利だ。前回巨人に所属した17年は移籍後初お立ち台で号泣し、平成最後のノーヒットノーランも達成した右腕。「(米国で)中途半端な感じだったので、ここに立たせてくれてありがとうございます」と、感謝を繰り返した。

 映画のキャラに勝るとも劣らない個性派だ。コロナ禍の米球界では不遇に次ぐ不遇。父親が大相撲の元幕内力士・谷嵐で、米国でも移籍当初は話題を集めた。マゲを結った父と異なり、自身は金髪や銀髪で挑んだ。

 山口のストーリーは、まだ終わらない。最大8ゲームあった首位阪神との差を5に。貯金は今季最多タイの9とした。「巨人は勝たないといけないチーム。緊張感を感じている」。夢の続きを封切った。(神田 佑)

 ≪山口 巨人では地方球場で高勝率≫山口(巨)が国内復帰初戦を白星で飾った。メジャーでプレーし、復帰初登板で勝利投手は15年3月29日ヤクルト戦の黒田博樹(広)以来8人目で、巨人では初めてだ。また、富山では初勝利。地方球場では通算7勝4敗となったが、巨人在籍時に限ると7試合で6勝1敗、防御率1・32と抜群の相性の良さを見せている。

 ▽「メジャーリーグ」 89年に米国で公開された、弱小球団インディアンスを舞台にしたコメディー映画。刑務所から出所した投手や、お調子者の俊足外野手、変化球に空振りを連発するブードゥー教徒らの個性派集団が、膝を故障した元スター捕手とリーグ優勝を目指す。94年公開の2作目でとんねるずの石橋貴明が、東京ジャイアンツから入団した助っ人外野手、タカ・タナカを演じた。

 ▽富山と巨人 富山は巨人創立者である正力松太郎の出身地。1リーグ時代の1949年4月27日に巨人は富山(当時富山神通球場)で大映と初の公式戦(●9―13)を行った。以後富山県営、富山市民(通称富山アルペンスタジアム)と球場を移し、通算19勝16敗2分けと勝ち越し。富山県営では王が通算4本塁打、長嶋が3本塁打している。

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