広島 26年ぶり東京D最多タイ1試合5本塁打で巨人に快勝

[ 2018年7月8日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5―2巨人 ( 2018年7月7日    東京D )

勝利しジャンプして歓喜する(左から)野間、鈴木、丸(撮影・荻原 浩人)                                                                                                                                                                                
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 広島は7日の巨人戦に東京ドームでは26年ぶり最多に並ぶ1試合5本塁打で快勝した。4回に鈴木誠也外野手(23)の12号で先制し、丸佳浩外野手(29)の2打席連発などで加点。記録的豪雨で甚大な被害が発生している広島へ白星を届けた。

 ソロ5発を広島の街へ届けた。東京ドームでは26年ぶり最多に並ぶ本塁打攻勢。前日6日に零敗した鬱憤(うっぷん)を晴らす快勝に緒方監督は「昨日得点できていなかったからね。よかった」と安どの表情を浮かべた。

 けん引したのは中軸の2人だ。鈴木は4回先頭で内海から左中間最前列へ「自分のスイングでしっかり捉えることができた」と先制12号を打ち込んだ。丸は5、8回に左中間と右翼へ2打席連発。打率・33879へ上げ、平田を1糸差で上回ってセ・リーグ1位に躍り出た。「まだこの時期なので一喜一憂はしない。悪いことではないですね」。主軸の一発に乗せられるように2点差に迫られた直後の9回には西川、会沢が2者連発。追いすがる巨人にトドメを刺した。

 東京ドームへの遠征中に西日本は記録的な豪雨に襲われた。浸水、土砂崩れ…。広島ナインは6日の巨人戦後、宿舎のテレビに映る同県の変わり果てた姿に驚きを隠せなかった。幸い選手、首脳陣らの家族は無事でも、緒方監督は沈痛な表情を浮かべた。

 「大変なことになっている。うちも避難勧告が出て家族は避難したと言っていた。行方不明の方もいると言っていたし、心配だね」

 同県出身の新井は慎重に言葉を選んだ。「心配としか言いようがない。プレーでどうのこうのというのは…。被害に遭われた方のことを考えたら簡単にはコメントできない」。好リードと盗塁阻止で捕手としても先発の野村を助けた会沢は「自分の家は大丈夫だったけど…。被災に遭われた方にできることは限られている。少しぐらいは何かできれば…」と表情は固かった。球団として被災地への対応は未定ながら、14年8月末に豪雨で広島市北部に大規模な土砂災害が発生した際には選手会が義援金の呼びかけを行い1000万円を寄付した例もある。

 9日からはマツダスタジアムで前半戦を締めくくる阪神3連戦が予定され、球団関係者は試合開催へ最善を尽くす方針を明かした。きょう8日には東京ドームでのデーゲーム後に帰広を控え、交通機関の復旧具合は不透明。野球用具を通常の運搬トラックには積まず、必要最低限のものを選手自ら携えて移動する案も持ち上がった。今、できることはひとつ――。これまでと変わらず強い赤ヘルを見せていくだけだ。

○…広島が1試合5本塁打。巨人戦での5本塁打は6月26日(マツダ)に続き今季2度目だが、東京ドームに限ると92年8月13日(江藤智2、ブラウン、野村謙二郎、前田智徳各1)以来26年ぶり。この日はソロ本塁打5本で5得点。広島の1試合5本塁打以上は通算51度目だが、得点が全てソロ本塁打は、80年4月5日阪神戦(7本塁打)○7―6、82年9月4日ヤクルト戦(5本塁打)●5―8以来、36年ぶり3度目だ。

 ○…田中(広)が「1番・遊撃」でフル出場。15年4月1日のDeNA戦から連続試合全イニング出場を500試合とした。広島では衣笠祥雄の678試合に次ぐ2人目。プロ野球最長1492試合の金本知憲は、広島在籍の02年まで472試合だった。

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2018年7月8日のニュース