【西東京】都松原 6年ぶり初戦突破 左腕高橋 上から下から幻惑完投

[ 2018年7月8日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権西東京大会1回戦   都松原6―3都成瀬 ( 2018年7月7日    ネッツ多摩昭島 )

下から投げる都松原の高橋
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 2人の投手がマウンドにいる。いや、1人だった。あるときはオーバースロー。また、あるときはアンダースロー。これぞ、変則のサウスポーだ。エースの高橋は2種類の投法を巧みに操った。

 「最初に“なんだコイツは”と思わせたい」。その言葉通りに、都成瀬打線を幻惑。1人の打者に対しても投げ方を変える。「相手のタイミングを崩すのが狙い」という。「仲間に援護してもらい、安心して投げることができた」。身長は1メートル60。小柄でもスタミナはある。最後まで投げ抜き、3失点完投。チームに6年ぶりの初戦突破をもたらした。

 元々は上手から投げていたが、「上だけでは通用しない」と中学時代から下手投げの練習にも励んできた。「両方の投球練習をするから、他の投手の倍は投げる」。一日200球の投げ込みは当たり前。都松原は定時制もあり練習は2時間程度しかできない。高橋は打撃練習はほとんどせず、投手に専念してきた。上から、そして下から。ひたすら、「二投流」を磨いた。

 オーバーとアンダーの切り替えは全て高橋自身が判断している。「こっちからは、球種の指示のみ。投げ方の判断は全て任せています」と宮坂純一監督。相手の打者がオーバーに慣れてきたら、アンダーに変更し、相手のペースにさせない。そんな計算された投球が勝利を呼び寄せた。

 部員数はたった10人だが、喜びはひとしおだ。今春まで部員不足で連合チームで臨んだが、今大会は単独チームで出場できたからだ。主将も務める高橋は「仲間に頼りつつ、次も頑張りたい」と意気込んだ。 (宇畑 晴夏)

○…都松原の女性部長、金島優子教諭(32)も6年ぶりの白星発進に大喜びした。小学時代は少年野球チームに所属したほどの野球好き。女子サッカー部長と兼務ながら今春念願の野球部長に就任し、初のベンチ入りで「最高だった。みんなが喜んでいる姿がうれしかった」。3失点完投したエース高橋のクラスの担任で「目の前で活躍を見られてうれしかった」と感無量の面持ちだった。

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