「鎌倉殿の13人」泰時に恋の歌…実朝 苦悩を初告白「私は世継ぎを…」千世が抱擁 ネット涙も「切ない」

[ 2022年10月16日 20:46 ]

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第39話。源実朝(柿澤勇人)は千世(加藤小夏)の手を取り…(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は16日、第39話が放送され、ついに最終章の幕が上がった。3代鎌倉殿・源実朝が苦悩を吐露。登場人物のセクシュアリティーが描かれる大河は珍しい。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。鎌倉を舞台に、御家人たちが激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は04年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第39話は「穏やかな一日」。いまだ3代鎌倉殿・源実朝(柿澤勇人)と千世(加藤小夏)との間に世継ぎの誕生がなく、気に掛ける政子(小池栄子)と実衣(宮澤エマ)。北条義時(小栗)は御家人たちが謀反を起こさぬよう、政の仕組みを改める。しかし、そのやり方は傲慢。三浦義村(山本耕史)和田義盛(横田栄司)らに不満が募っていた。一方、北条泰時(坂口健太郎)は慣れない和歌に悪戦苦闘し、源仲章(生田斗真)に相談を持ち掛ける。そんな中、成長した公暁(寛一郎)が…という展開。

 実朝は御所の女房・よもぎ(さとうほなみ)も側室にしない。世継ぎのことについて千世から問われると、実朝は1人で抱え込んできた思いを明かした。

 実朝「(千世の手を取り)初めて、人に打ち明ける。私には、世継ぎをつくることが、できないのだ。あなたのせいではない。私は、どうしても、そういう気持ちに、なれない。もっと早く言うべきだった。すまなく思うから、一緒にも居づらかった(涙ぐむ)」

 千世「ずっと、お一人で悩んでいらっしゃったのですね。話してくださり、うれしゅうございました」

 千世は包み込むように実朝を抱き締めた。

 前回第38話「時を継ぐ者」(10月2日)、北条時政(坂東彌十郎)から解放された時には千世を抱き締められなかった実朝だが、今度は「私には、応えてやることができない」としながらも、しっかり千世を抱き締めた。

 実朝が北条泰時(坂口健太郎)に返歌を求めた歌「春霞 たつたの山のさくら花 おぼつかなきを 知る人のなさ」は、恋の歌だった。「切的の技競べ」の泰時と鶴丸(きづき)の仲睦まじい姿に、複雑な表情も浮かべた。

 実泰時が渡し間違いだと伝えると、実朝は「そうであった。間違えて渡してしまったようだ」と別の歌を選ぶ。「大海の 磯もとどろに寄する浪 破(わ)れて砕けて 裂けて散るかも」――。

 第35話「苦い盃」(9月11日)、歩き巫女(大竹しのぶ)は結婚に悩む実朝に「これだけは言っておくよ。おまえの悩みは、どんなものであっても、それはおまえ1人の悩みではない。遥か昔から、同じことで悩んできた者がいることを、忘れるな。この先も、おまえと同じことで悩む者がいることを、忘れるな。悩みというのは、そういうものじゃ。おまえ1人ではないんだ。決して。気が晴れたか」と助言。実朝は涙を拭い、笑った。

 実朝の苦悩について、演じる柿澤は「どの時代も、どの国にもある普遍的なテーマと捉えて演じています」と語っている。

 SNS上には「あまりにも切なくて泣ける」「千世様の愛の深さよ」「実朝の心の奥にしまった想いの描き方と演出、奥ゆかしくて素晴らしいな」「現代的なカミングアウトです。実朝の傑作とされる和歌が代用とは」「大河ドラマで登場人物のセクシュアリティーに関してちゃんと言及される日が来るとは思わなんだ。歴史が動いたぞ」などの声が上がった。

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