【前回の鎌倉殿の13人】第38話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「小四郎 涙の恨み節…忘れぬ時政の背中」

[ 2022年10月16日 08:00 ]

イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第38話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「小四郎 涙の恨み節…忘れぬ時政の背中」
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は16日、第39話が放送され、ついに最終章の幕が上がる。新進気鋭のイラストレーター・石井道子氏が描く“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)とともに前回の第38話(10月2日)を振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。鎌倉を舞台に、御家人たちが激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第38話は「時を継ぐ者」。激しさを増す北条親子による主導権争い。北条時政(坂東彌十郎)と妻・りく(宮沢りえ)は、三浦義村(山本耕史)に命じて3代鎌倉殿・源実朝(柿澤勇人)を屋敷へと連れ込み、鎌倉殿の座を娘婿・平賀朝雅(山中崇)へ譲るように迫る。対する北条義時(小栗)は息子・泰時(坂口健太郎)弟・時房(瀬戸康史)八田知家(市原隼人)らを引き連れ、時政の屋敷を包囲。攻め込む機会を慎重に見定める。張り詰めた空気が鎌倉を覆う中、政子(小池栄子)は…という展開。

 「牧氏事件(牧氏の変)」(元久2年、1205年)。時政とりくは伊豆へ流罪となり、ついに黒装束の2代執権・北条義時が誕生した。

 義時は「父上、小四郎は、無念にございます。父上には、この先もずっとそばにいてほしかった。頼朝様がお作りになられた鎌倉を、父上と共に守っていきたかった。父上の背中を見て、ここまでやってまいりました。父上は、常に私の前にいた。今生の別れにございます。父が世を去る時、私はそばにいられません。父の手を、握ってやることができません。あなたがその機会を奪った。お恨み申し上げます」などと涙した。

 りくは最後まで“憎まれ口”だった。

 「執権を継がなかったそうですね。意気地がないのねぇ、この親子は。手の届くところに大きな力があるなら奪い取りなさい。歯がゆいったらありゃしない。何に遠慮しているのです。小四郎、いいですか。あなたはそこに立つべきお人。これは義母からのはなむけ。あら嫌だ。はなむけは送る側がするものでしたね」

 義時は「父上と義母上の思い、私が引き継ぎます。これは、息子からのはなむけです」。2人は微笑み合った。

 今回の“大河絵”は息子に戻った義時&父・時政の今生の別れ、義時の背中を押したりくを1枚にまとめた。

 ◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画、ウェブマガジン表紙などを手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2021 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2021 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。ライブペインティングや即興似顔絵も各地で行う。

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