東北福祉大の椋木蓮はウソをつかない 最速更新の154キロにあった伏線

[ 2021年6月9日 09:30 ]

東北福祉大・椋木
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 今秋のドラフト上位候補に挙がる東北福祉大の右腕・椋木(むくのき)蓮投手(4年)は8日、全日本大学野球選手権で共栄大との1回戦に救援登板し、2回1失点ながら、自己最速を1キロ更新する154キロを計測した。

 4点を追う8回から東京ドームのマウンドに立ち、いきなり153キロと152キロで2者連続三振。力感のないフォームから繰り出す直球は打者の想像以上の球威だったはずだ。そして、続く大里への2球目に154キロが出た。限界突破の1球には伏線があった。

 5月31日、仙台六大学リーグの優勝決定戦が宮城・東北福祉大野球場で行われた。優勝を争う仙台大を4―1で迎えた9回に登板した椋木は2ランを被弾。2日前は先発で5回途中を6失点、前日は救援で1回1失点。優勝が懸かる大一番でも打たれ「自分にあきれた。何でこんなことになってしまったのだろう…」と自信は完全に砕かれた。

 だが、これが功を奏した。「ただの一投手として目の前の打者を抑えよう」。力みにつながっていた新エースのプライドを捨てたことで、本来の魅力だった「脱力フォーム」を取り戻した。続く打者をスライダーで、最後の打者を150キロの直球で連続三振を奪い、胴上げ投手になった。

 「大塚(光二)監督から“最後の2人が今リーグ戦で一番良い投球だった”と言われました。2人だけですけど、力感なく投げることができた。最後に本当の自分が分かった。全国では自分の名を売りたいです」。結果は1回2失点だったが、試合後の表情は充実感にあふれていた。「きっと、大舞台で凄いボールを見せてくれるはずだ」と期待に胸を膨らませ、記者は東京への帰路についた。

 全国の舞台でも“最後の2人”で取り戻した姿を披露。たった27球だが、彼の魅力を伝えるには充分だった。あの日「本当の自分がわかった」と語った彼の言葉にウソはなかった。(記者コラム・柳内 遼平)

 ◇椋木 蓮(むくのき・れん)2000年(平12)1月22日生まれ、山口県出身の21歳。高川学園では2年夏に甲子園に出場。東北福祉大では1年春からベンチ入りし、18年の全日本大学野球選手権に出場。憧れの投手は楽天・岸。50メートル走6秒3、遠投100メートル。1メートル78、81キロ。右投げ右打ち。

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