国学院大・山本ダンテ武蔵 初の東京Dでアーチ 選手権初出場のチームを逆転勝利導く

[ 2021年6月9日 17:16 ]

全日本大学野球選手権・2回戦   国学院大4―2富士大 ( 2021年6月9日    東京ドーム )

<富士大・国学院大>6回2死、ソロ本塁打を放ち、笑顔でダイヤモンドを回る国学院大・山本ダンテ武蔵(撮影・河野 光希)
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 国学院大打線は5回終了まで2安打無得点と沈黙。鳥山泰孝監督から「勝ちゲームの雰囲気をつくれ」と指示が飛んだ。山本ダンテはバットでムードをガラリと変えてみせた。

 0―2で迎えた6回2死から甘く入った直球を力みなくスイング。グングン伸びた打球は左中間スタンドに突き刺さった。「チームを変える一打を打ちたかった。“よし、いけるぞ”と思いました」 予感は当たった。7回は同点に追いつき、2番・川村の右前適時打で勝ち越し。続く山本ダンテも左前適時打。指揮官は3安打2打点の活躍に「ダンテの普段通りの打撃で(チームが)勇気づいた」と目を細めた。

 フルネームは山本ダンテ武蔵。米国人の父・チャールズさんが放浪の剣豪・宮本武蔵を由来にして名付けた。広島出身の山本ダンテも本家と同様に腕を磨くための旅に出た。高校時は大阪桐蔭の4番で甲子園に2度出場。大学では関東の東都リーグを活躍の場に選んだ。4年生で掴んだ初の全日本大学選手権の切符。「プレーしたいと思っていた」という初の東京ドームにアーチを架けた。

 右の長距離砲は今春のリーグ戦で打点と本塁打でリーグトップに立ち、最高殊勲選手を受賞。「自分の力で可能ならばいきたい」と将来的なプロ入りへの視界も開けた。旅はまだまだ終わらない。(柳内 遼平)

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