鬼門・札幌ドームに神様降臨!阪神・原口 土壇場9回2死で代打V撃「“越えてくれ”と願いながら走った」

[ 2021年6月9日 05:30 ]

交流戦   阪神3-2日本ハム ( 2021年6月8日    札幌D )

<日・神(1)>ヒーローインタビューを終えスタンドのファンに手を振る原口(撮影・大森 寛明)
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 阪神・原口文仁捕手(29)が8日、日本ハム戦の9回2死二塁から決勝の左越え適時二塁打を放ち、チームの連敗を2でストップした。得点圏打率リーグトップを誇る梅野の打席での代打。起用した矢野監督の采配もさえ、チーム今季最長となる4時間12分の熱戦を制した。

 敵地・札幌ドームを、興奮の渦に巻き込んだ。原口の打球が左翼後方の芝生で弾んだ瞬間、右翼席から虎党の歓喜がこだました。勝利への執念を一振りにぶつけた代打の切り札が、土壇場で最高の働きをみせた。

 「少し詰まり気味だったんですけど、外野も前進守備で、“越えてくれ”と願いながら走った。チームが勝つことが本当に一番うれしい」

 今季最長4時間12分の激闘にけりをつけた。2―2の9回2死二塁。凡退すれば、チームの勝利がなくなる場面だった。カウント3―1から杉浦が投じたスライダーを強振。打球は前進守備の左翼・西川の頭上を越え、決勝の適時二塁打となった。今季23打席目にして刻んだ初打点。昨年10月24日の巨人戦以来となるV打となった。

 「長い戦いをしてたらミスもある。そういうところでチーム全体でカバーできたのでよかった」

 先頭サンズが二塁打を放ちながら、続く代打・坂本は送りバントを失敗していた。北條も空振り三振で2死。重苦しい空気が漂い始めたが、百戦錬磨の仕事人がチームメートのミスも帳消しにした。

 2年ぶりの交流戦で感動がよみがえった。19年6月9日の日本ハム戦。9回2死から代打でサヨナラ打を放った。同年1月に判明した大腸がんから復帰した直後の活躍は記憶に新しいが、現在も経過観察のため定期的に病院で検査を受けている。体調面に細心の注意を払う姿は、当時と変わらない。

 そんな中、家族の存在は原口にとって大きな支えとなっている。「娘もいつも帰りを待っててくれている。玄関のドアを開けた時にふっと、気持ちが楽になる」。3歳の長女は毎日、帰宅を待ってくれているという。たとえ結果が出なかった日でも、次へと切り替える力をもらっている。

 この日は得点圏打率リーグトップの梅野の代打として結果を残した。連敗も2でストップ。矢野監督からは「重たい空気を一掃というか、本当に大きな一打。フミ(原口)に助けられた」と称えられた。采配を生かすも殺すも、選手次第。ここ一番での勝負強さが、チームに“最幸”の夜をもたらした。(長谷川 凡記)

 ○…阪神はこの試合まで札幌ドームの日本ハム戦で10勝17敗1分け。勝率・370は交流戦パ本拠地球場でのビジターゲームワースト。また今季の火曜日も、同じく試合前まで3勝5敗1分けの勝率・375と曜日別で唯一負け越し。2つの苦手要素を払拭(ふっしょく)して、勝利した。

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