智弁和歌山・小林樹 151キロで3回圧倒の零封 大会3人目の大台超え「力を出し切れた」

[ 2020年8月18日 05:30 ]

2020年甲子園交流試合最終日   智弁和歌山1-8尽誠学園 ( 2020年8月17日    甲子園 )

<尽誠学園・智弁和歌山>  6回から登板する智弁和歌山・小林樹     (撮影・成瀬 徹) 
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 2020年甲子園交流試合は3試合があり、6日間の日程を無事に終えた。智弁和歌山(和歌山)は尽誠学園(香川)に大敗する中、今秋ドラフト候補の小林樹斗投手(3年)が自己最速に1キロと迫る151キロを計測した。

 最後の甲子園で評価を不動のものにした。智弁和歌山の小林樹は「流れを引き寄せたい」一心で7点ビハインドの6回から登板し3回2安打無失点で3奪三振。151キロを計測し、今秋ドラフト1位候補にあがる中京大中京・高橋(153キロ)、明石商・中森(150キロ)に続く「大台超え」を記録した。

 「全てを出し切ろうと思っていた。結果的に負けたけど、力を出し切れたと思う」

 4回までに味方が8失点する展開に、心中穏やかではなかった。自らブルペンに走り中谷仁監督に無言の催促をした。つばに「攻」と書いた帽子と今大会用に準備した、珍しい白を基調としたグラブで登板。先頭打者に149キロを二塁打されたが「冷静さを保てた」と後続を打ち取った。ラストマウンドとなった8回2死では4番仲村に全5球直球勝負。最後は151キロで空を切らせ三振を奪った。

 先発した昨夏の甲子園3回戦・星稜戦では4回途中1失点で降板。ただ、奥川(現ヤクルト)と投げ合ったことで財産を得た。

 「真っすぐのコントロールをミスしない。そこを目指して取り組んだ。マウンドでの立ち居振る舞いも、ああなりたいと思った」

 エースながら今夏は高校では珍しい抑えを務めた。阪神や楽天などでプレーした指揮官は「球種が多い方ではない。現状は後ろが向いている」と球威と強い精神面を買っての起用と説明。阪神・畑山俊二統括スカウトは「先発をやっていれば見られないところで特性、適性を見られたのはよかった」と話した。

 紀州の剛腕は「小さい頃からの夢」とプロ入りを誓う。剛球で有観客の聖地を沸かす日が、きっとやってくる。 (倉世古 洋平)

 ▼智弁和歌山・高嶋奨哉(高嶋仁前監督の孫。4回2死から代打で中飛)(祖父から)打ってこいよ、と言われていた。結果を出せず悔しい。

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