身長1メートル67 広島・羽月 プロ初出場で2安打3打点!「自分が試合に…考えられなくて」

[ 2020年8月8日 05:30 ]

セ・リーグ   広島11-6阪神 ( 2020年8月7日    マツダスタジアム )

<広・神(6)>5回2死一、二塁、羽月は右越えに2点適時三塁打を放つ (撮影・奥 調)
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 広島・羽月隆太郎内野手(20)が7日の阪神戦で「2番・二塁」でプロ初出場初先発し、2安打3打点と輝いた。3回のセーフティースクイズでプロ初安打初打点をマークし、5回には初長打となる2点適時三塁打。好守も光った。高卒2年目でセ・リーグ野手では最小兵。初昇格即日の起用に応え、15安打11得点の猛攻を呼んだ。

 新しい風が吹いた。プロ初出場初先発だった羽月が、試合後には殊勲のお立ち台に立っていた。「自分がマツダスタジアムの試合に立っていることが考えられなくて…」。間違いなく15安打11得点の中心にいた。

 脇役から始まった。昇格即日で「2番・二塁」に抜てき。初回無死一塁での初打席で決めた初犠打は松山の先制打を呼んだ。2回1死一、三塁では一塁線に転がしたセーフティースクイズが適時内野安打となり、初安打初打点を記録した。

 そして、主役になった。2点差に迫られた6回2死一、二塁。小川のチェンジアップを最後は右手一本で拾うと、前進守備の右翼・福留のグラブをわずかに越えた。プロ初長打となる2点適時三塁打。「頭が真っ白。当てればどうにかなると思った」。守備では2回1死一、二塁で木浪のライナーをダイビング好捕して併殺を完成させるなど、定評のある堅守でも貢献した。

 「緊張して寝られなかったけど、やるしかないと思った。菊池(涼介)さんが“困ったらベンチの俺を見ろ。守備位置を指示するから”と言われて、ホッとしました」

 悔し涙が転機となった。初めて1軍に呼ばれた昨秋キャンプでは練習の厳しさとレベルの高さに直面。宿舎の食事会場で一人涙を流しているところを西川と野間に見つかった。「なに落ち込んでるねん!とりあえずメシ行くぞ」。心優しき先輩から気分転換にと外食に誘われた。

 翌日から特訓が始まった。練習後、戻った宿舎では西川、野間との打撃練習。素振りでのチェックにとどまらず、時には映像撮影まで付き添ってくれた。「お兄ちゃんみたいで本当に優しい先輩」。2人の先輩と同時先発。昇格初日にかなえた恩返しだった。

 鈴木誠が積極的休養で今季初めて欠場した一戦に小技と長打で導いた大勝。初安打の記念球は前夜には「自分らしく頑張っておいで」とLINE(ライン)をくれた母・明美さんに贈る。「いい刺激」という小園と同期の高卒2年目。身長1メートル67の小兵が、5位に低迷するチームの空気を変えた。(河合 洋介)

 ▼広島・佐々岡監督(昇格即日で先発起用した羽月について)青柳対策として、東京遠征のときに2軍と話をしていた。揺さぶりをかけて思った以上の結果を残してくれた。(今季初欠場の鈴木誠は)積極的休養。東京からの移動試合だったということもある。

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