東海大菅生 サヨナラ3年ぶりV 2年生堀町が劇打!プロ注目杉崎公式戦初犠打に「絶対決めようと」

[ 2020年8月8日 05:30 ]

西東京大会・決勝   東海大菅生4―3佼成学園 ( 2020年8月7日    ダイワ八王子 )

<佼成学園・東海大菅生>10回1死二塁からサヨナラ打を放った堀町(右から3人目)を出迎える東海大菅生ナイン。中央手前は佼成学園・森士(撮影・村上 大輔)
Photo By スポニチ

 都道府県高野連が独自に開催する代替大会は7日、全国で60試合が行われた。西東京では決勝が行われ、東海大菅生が佼成学園を4―3で下し、3年ぶりの頂点に立った。延長10回1死二塁から5番・堀町沖永(おきと)外野手(2年)がサヨナラ二塁打を放った。東海大菅生は、8日に決勝戦を行う東東京の優勝校と10日に対抗戦(ダイワ八王子)を行う。また、福島の決勝では聖光学院が夏14連覇を達成した。

 重圧を力に変える。ヒーローになれる条件だ。3―3の延長10回1死二塁。「ここで決めたら格好いいぞ」。5番の堀町はポジティブに捉えていた。若林弘泰監督が4番の杉崎成(なる=3年)に公式戦で初めての送りバントを命じ、回ってきた絶好機だった。

 「杉崎さんがバントするなんて見たことない。絶対決めようと思った。思い切っていった」。8回に同点打を放っていた2年生は勝負強かった。前進守備の中堅手の頭上を越えるサヨナラ二塁打を放ち「まだ3年生と野球ができる」と喜んだ。

 大舞台で「ヒーロー思考」を体現した。2―1で辛うじて勝った中大杉並との4回戦後のミーティング。執念が見えなかったナインに対し、若林監督は「俺がここで決めたら明日の(新聞の)見出しになるくらい(の気持ち)でやれ。ヒーロー思考を持っていけ」と一喝。失敗を恐れず、果敢に挑む姿勢が浸透した。

 堀町は3年生からティー打撃のやり方や打撃フォームの助言をもらった。コロナ禍による自粛期間の1カ月半、毎日自宅近くのバッティングセンターで打ち込んだのも、精力的に自主練習する先輩の姿が目に焼き付いていたからだ。スタメン5人が下級生。堀町ら1、2年生は「3年生を花道で飾ってあげよう」と誓い合った。

 3年ぶりの頂点。指揮官は「悔しかったら優勝してみろと言ってきた。例年以上に厳しかったが、それに耐えて見事優勝してくれた」と称えた。10日に東東京の優勝校と東京No・1を決める戦いに挑む。堀町は「東西の優勝を目指して頑張ります」と3年生と戦う最後の1試合に全力を注ぐ。 (岡村 幸治)

 ▽東海大菅生 1983年(昭58)に開校。野球部は96年夏に甲子園に初出場し、春夏通算6度出場。通算4勝(全て夏)を挙げ、夏は17年のベスト4が最高成績。OBに高橋優貴(巨人)、勝俣翔貴(オリックス)ら。所在地は東京都あきる野市菅生1817。峰岸英仁校長。

続きを表示

この記事のフォト

2020年8月8日のニュース