楽天・浅村 キング14号逆転弾「今年の中で一番良い感触」18戦ぶり二塁出場で“流れ”つかんだ

[ 2020年8月5日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天7―6ソフトバンク ( 2020年8月4日    楽天生命 )

<楽・ソ>8回2死一塁、2ランを放ちエアタッチをかわす楽天・浅村 (撮影・白鳥 佳樹)
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 試合の「流れ」を肌で感じた。ここが勝負だ、と。8回に1点差に詰め寄り、なおも2死一塁。楽天・浅村は打席に向かいながら、次第に大きくなるファンの拍手を全身で受け止めた。モイネロの速球は頭にあったが、初球のやや低めの122キロのカーブに自然とバットが出た。

 「甘い球を反応で打てましたね。今年の中で一番良い感触だった。場面も場面だったので。完璧でした」

 しばらく打席にとどまり、打球が右中間席中段へと消える様子を見届けた。リーグトップの逆転14号2ラン。前打者ブラッシュの左前適時打も初球。2球で逆転した。敵将・工藤監督も「事前に声を出してアドバイスすればよかった。“あえてボール球から入ってほしい”など、僕らが事前に意識付けさせておけば結果は変わった」と悔いた電光石火の攻撃。「流れ」が傾いた瞬間だった。

 打撃に注目されがちだが、浅村は守備から試合に入るタイプだ。開幕から「4番・二塁」で起用されていたが、7月15日の西武戦から指名打者での出場が続いた。ルーキーの小深田を併用するための首脳陣の判断。チーム方針を理解した上で「DHの難しさ感じていた。裏で準備する時間も長くて、試合の“流れ”に入りづらい」というのが本音だった。

 この日は18試合ぶりに二塁でフル出場。「チャンスの場面も、ピンチの場面も、グラウンドに立って肌で感じる。良い流れでやれました」とうなずいた。首位攻防6連戦の初戦で勝利に導いた。今季21勝中、両リーグトップの9度の勝利打点を挙げる。ソフトバンクとは1ゲーム差。「負けられない試合が続くので、勝つのと負けるのでは全然違う」。浅村が首位再浮上への流れを呼び込んだ。(重光 晋太郎)

 《移籍後最多9度目V撃》○…浅村(楽)が8回にモイネロ(ソ)から決勝2ラン。モイネロとの対戦成績はこの試合の前まで通算14打数2安打、0本塁打、打率・143だったが、苦手な相手から初めて本塁打をマークした。浅村の勝利打点は9度目で、昨年の8度を上回り移籍後最多。岡本(巨)の7度を抑え両リーグトップだ。自己最多は13年の16度で、どこまで伸ばせるか。なお、モイネロは今季21試合目で初被弾となった。

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