阪神 勝負どころの2失策響き再び借金1 首位・巨人が遠のく6ゲーム差

[ 2020年8月5日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2-7巨人 ( 2020年8月4日    甲子園 )

<神・巨(5)> 敗戦に肩を落とす矢野監督(撮影・大森 寛明)
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 阪神は4日の巨人戦に敗れ、再び借金1となった。1点ビハインドの8回に2失策が絡んで4点を奪われ敗戦につながった。首位を走る宿敵とのゲーム差は6に広がった。今季はクライマックス・シリーズがなく日本一になるためにはリーグ優勝あるのみ。独走を阻止するためにも、5日からの2試合は勝利あるのみだ。

 首位との力の差が如実に表れた。サンズの2ランで、差はわずかに1点。虎党の熱気も最高潮に達した終盤8回にまたも守りのほころびから、逆襲ムードが一気にしぼんだ。矢野監督は選手を責めることはしなかったが、表情からは悔しさがにじみ出ていた。

 「勝負した結果なんで仕方ないと。馬場の所はどうしても状況判断、迷ったまでとはいかないけど、タイミングが合わなくて慌てて投げたのかな…」

 8回に登板した馬場は先頭の北村に中前打され、続く丸に四球を与え無死一、二塁。坂本はスプリットで投ゴロに打ち取ったと思ったが、重盗で走者はスタートを切っていた。一瞬の間もあったことで1―6―3の併殺を狙ったプレーは野選が記録され、送球が逸れる間に二塁走者が一気に生還。失策も記録された。

 「経験不足というか自己分析プラス相手の分析をやっていく中で、まだまだ勉強の部分も多い。やられて勉強」

 指揮官は今後の成長に向けた“授業料”としたが、反撃ムードに水を差したのは事実。さらに1死後、二、三塁から、今度は重信のゴロを前進守備を敷いていた遊撃・木浪が本塁送球をすべく勝負にいったが、弾いて捕球できず敗戦を濃厚にする5点目を献上。このプレーに関しても、指揮官は「捕ってアウトにするのがプロなんだけど、退いたプレーじゃない。あれ(前進)でしかアウトにならない」とかばった。

 この日の2失策でチーム失策はリーグワーストを更新する29。巨人はこの日も無失策でチーム失策数はリーグ最少の8。強力打線がクローズアップされるが、基本である守りが根本にはある。

 「去年もエラーで負けてるし、今シーズンも。これでいいわけじゃないから。打開策とかやろうとしているから」

 指揮官も、このままでいいとは思っていない。首位巨人とのゲーム差は6に広がった。今日も敗れるようなことがあれば、今季最大差に並ぶ7まで広がる。今季初の9連戦でいきなりつまずき正念場を迎えた。ただ、前のめりの失敗だけに救いはある。まずは今日からの2試合。絶対に勝つ――。 (山本 浩之)

 《29失策は両リーグ最多》阪神は8回に馬場、木浪が適時失策。チームは開幕からのビジター14試合で5失策だったが、甲子園開幕の7月9日以降は23試合で24失策と乱れ、チーム29失策は両リーグ最多となっている。馬場の自責点は0。この日のようにチーム失点よりも自責点が少なかったケースは、2勝6敗1分けと大きく負け越している。

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