巨人・菅野、開幕6連勝!球団初の開幕投手2度目、右すね打球直撃も志願続投「くっそ痛かった」

[ 2020年8月5日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人7―2阪神 ( 2020年8月4日    甲子園 )

<神・巨>7回無死、梅野の打球を右足に受ける菅野(撮影・北條 貴史)
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 巨人の菅野智之投手(30)が4日の阪神戦で7回6安打2失点で両リーグトップの6勝目を挙げた。7回に打球を右すねに当てながらも、この回を投げ切り、エースの責務を果たした。開幕投手の開幕6連勝は14年以来自身2度目で、複数回達成は球団史上初となった。伝説のエースたちに負けない魂の投球で、2位ヤクルトとのゲーム差を5に広げた。

 右すねを何重かにテーピングで圧迫しただけで、菅野は一歩ずつ戻った。とても無理だ、と誰もが思った。だが、自身の立つべきマウンドに痛む足を引きずって戻った。

 中継ぎを乗せた車をいつでも出せるよう、左翼の門は開いて いた。1球。そして2球だけ。患部の状態を確認した。激痛を振り払い、小さくうなずく。自らが続投を決めた。大慌てで職員が門を閉めたことからも、どれほどの事態だったかが分かる。球場はまだ、妙に静まり返っていた。

 「途中からマウンドに上がる難しさというのは中継ぎの投手にはある。毎試合、最低でも7回投げないといけない。とりあえずそこの責任だけは果たす」

 アクシデントは3―2の7回に起こった。先 頭の梅野の強い投ゴロに右足を本能で伸ばした。右すね付近に当って転がる打球を拾って一塁送球すると、もん絶して倒れ込んだ。両肩を抱かれてベンチに下がる。「少し時間をください」とだけ言って、患部を固定した。「ちょっと難しいかな」と頭をよぎった原監督だが「マニュアルはない。智之の場合は委ねた。本人が決断した。我々はいかせた」と任せた。

 上下する肩に、どれほど宿命を背負えばいいのか。「原監督の甥(おい)」と言われることが心底嫌だった時期がある。一緒にお風呂に入って いた大好きな伯父の偉大さを、真剣に野球を始めた中学時から知り一線を画すようになった。どれだけ頑張れど「原監督の甥」。家族の前で泣きながら悔しさをぶつけたこともある。全ての世代で頂点に立つことだけで宿命を乗り越えてきた。

 木浪への初球は148キロ直球。この日の最速より6キロも遅かった。フォークで二ゴロ。次打者の植田にセーフティーバントの構えをされると本能で前に出た。最後は遊直。名だたる投手を輩出した名門球団で史上初の快挙を成し遂げた。痛む足で自身2度目の開幕6連勝を果たしたのだ。

 「いや、くっそ痛かった」と若者らしい口調で鉄仮面を外したのも菅野。「僕だけの力じゃない。チームにしっかり感謝して。達成感はありますけど満足はしていない。どんどん連勝を伸ばしたい」と言ったのも、また、球界のエース菅野なのだ。(神田 佑)

 ○…菅野(巨)が開幕戦から6連勝。巨人開幕投手の無傷の6連勝以上は14年の自身(6連勝)以来6度目になるが1人で2度は初めてだ。また、6度のうち、開幕戦に勝っての達成は、36年秋の沢村栄治(6連勝)、38年春のスタルヒン(11連勝)と14年と今季の自身だけとなっており、こちらも2度は菅野しかいない。なお、7連勝まで伸ばすと前記スタルヒンと90年斎藤雅樹の8連勝に次ぎ30年ぶり3人目となるがどうか。

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