阪神・大山、涙の人生初サヨナラ弾 106試合目初めて「4番」外され燃えた「やるべきことをしっかり」

[ 2019年8月11日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6-5広島 ( 2019年8月10日    京セラD )

9回、無死一、二塁、右越えに逆転サヨナラ3点本塁打を放ち、ガッツポーズの大山(撮影・成瀬 徹) 
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 涙の人生初サヨナラ弾だ。106試合目にして初めて4番を外され6番で先発した阪神・大山悠輔内野手(24)が10日の広島戦で2点を追う9回無死一、二塁から右越えにシーズン自己最多となる12号逆転サヨナラ3ランを放った。

 悔しさに、自身への怒りもあっただろう。今季初めて4番を外された大山が一振りで試合を決めた。3―5の9回無死一、二塁。1ボールからフランスワの147キロ直球をはじき返した一撃は、意地が一押ししたのか、右翼フェンスをなんとか越えた。7月17日中日戦以来、19試合ぶりの一発は「記憶にない」という人生初のサヨナラ本塁打となった。

 「もちろん悔しい思いはありましたけど、試合に出る以上は、6番でもやることは変わらないので。やるべきことをしっかりとやりました」

 三塁ベースを回ったところでホッとしたのか、笑みを浮かべ、本塁でナインの手荒い歓迎を受けた。お立ち台では、3時間51分の長期戦を最後まで見守ったファンの大歓声を受けながら短い言葉に本音を込めた。ふがいなさからくる悔しさを逆転サヨナラ弾という最高の結果で晴らした。

 「猛虎の4番」の重圧は想像を絶するもので、その影響は精神だけでなく身体にまで及んだ。不本意な結果に終わった試合後、気持ちの切り替えがうまくできずに眠れなかった夜は一度や二度じゃない。「寝なきゃ…、と考えている間に朝になってるなんてこともありましたね」。睡眠時間ゼロの状態で球場入りしたこともある。

 そんな日をなくすためにあらゆる対策を講じる。良質な睡眠に必須と言われる自律神経のリズムを整える治療器具を体に装着してベッドに入ったり、ノイズをカットして睡眠をサポートしてくれる数万円のイヤホンを使用したり……。数々の手を打って、連日の試合に臨んでいる。

 それでも眠れなかった日は朝に水風呂に長時間つかることで強制的に目を覚まし、体にムチ打ってグラウンドへ飛び出した。「正直、こんなことまでしなきゃいけないのか…と思うこともありました。でも、嫌な感情を忘れたり切り替えるのがへたなので。逃げずに、勝たないといけません」。向き合う覚悟はできている。

 ヒーローインタビューの最中、目には光るものが見えたが、必死にこらえた。大山にしか理解できない重圧との戦いはつらく、苦しいが、自身にしか味わえない唯一無二の経験と捉えることもできる。その過程において、大きな意味を持つ一戦だった。(巻木 周平)

 ○…大山(神)が2点劣勢の9回に逆転サヨナラ3ラン。サヨナラ打は5月3日DeNA戦(中越え二塁打)以来2度目で、サヨナラ弾は初めてだ。シーズン4本のサヨナラ弾は、77年に並ぶ球団最多。今季はソラーテも7月30日中日戦で逆転サヨナラ本塁打。阪神の逆転サヨナラ弾は大山で18本目になるが、シーズン2本そろえたのは球団史上初めてとなった。

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