父の死を乗り越え…中日・木下「ここから投げまくる」

[ 2019年8月11日 10:00 ]

<中・巨>力投する木下雄
Photo By スポニチ

 悲しみを乗り越え、1軍マウンドに帰ってきた。

 中日の木下雄介投手(25)が1日の阪神戦で今季初登板。リードを2点に広げられた8回2死一、二塁のピンチでマウンドに上がり、北條を三ゴロに封じた。

 突然の訃報から10日だった。父・隆さんが7月22日に交通事故で逝去。隆さんはこの日の朝、大阪市内でゴミ収集車を運転中に乗用車に衝突され、58歳の若さで亡くなった。

 翌23日、木下はナゴヤ球場でウエスタン・リーグのオリックス戦に登板。通夜が営まれた24日も午前中はナゴヤ球場で練習に参加していた。「父親は『どんな時でも仕事を休むな』が口癖で、40度の熱があっても仕事に行っていた」。父の教えを守ったのだ。

 生光学園高(徳島)を卒業後、駒大に進学したが右肘を痛め1年で中退。一度は現役を退き就職したが野球への情熱を捨てきれず、NPB入りを目指して15年春に四国・徳島に練習生として入団した。

 「野球をもう一度やると言った時、父はめちゃくちゃ喜んでくれた。けど『自分でやると決めたら最後までやり通せ。その上で期限を決めてやれ』と言われました」

 NPB入りへの期限は3年だった。2年目、16年の秋に中日から育成ドラフト1位指名を受け、入団。昨年春に支配下登録を勝ち取った。

 飛躍を誓った支配下2年目の今季だが、右肩痛で出遅れた。オフから「肩に力が入らへん」と違和感を感じ、春先は約2カ月間ノースロー。そこから地道なリハビリを経て、ようやく1軍の舞台が見え始めた矢先の悲しい知らせだった。

 「ここから投げまくります」

 元気に投げ続けることが最愛の父への弔いとなるはずだ。(記者コラム・徳原 麗奈)

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2019年8月11日のニュース