熊本工、令和初サヨナラ!延長12回山口決めた「頭真っ白」伏兵7番バックスクリーン弾

[ 2019年8月11日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権大会 第5日1回戦   熊本工3―2山梨学院 ( 2019年8月10日    甲子園 )

<熊本工・山梨学院>延長12回、中越えにサヨナラ本塁打を放った熊本工・山口(撮影・北條 貴史)
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 令和初の劇弾決着だ。1回戦2試合、2回戦1試合が行われ、1回戦では熊本工が山梨学院に今大会初のサヨナラ勝ち。延長12回に7番の山口環生(たまき)内野手(3年)が中越えに大会21本目のサヨナラ弾を放ち、夏の甲子園30勝目を挙げた。関東第一(東東京)は4番・平泉遼馬内野手(3年)が中越えソロなど2安打2打点と活躍、日本文理(新潟)に打ち勝った。2回戦では岡山学芸館が広島商を相手に甲子園初勝利を挙げた。

 夢見心地でベースを1周した。今大会初となるタイブレーク突入の雰囲気が甲子園に漂い始めた延長12回1死だった。山口の打球はぐんぐん伸び、バックスクリーンに吸い込まれた。歓声と悲鳴が交錯する。令和初のサヨナラ弾。殊勲の7番打者は「感触がなかったくらい芯に当たった。今までで一番うれしかった。実感はなくて頭が真っ白」と笑顔がはじけた。

 4回に2点を追い付いた後は膠着(こうちゃく)状態になった。山口はそれまで4打数無安打。田島圭介監督は「タイミングがずれていて代打も考えた」という。だがタイブレークを見据え、一塁守備を考慮して代えなかった。これが吉と出る。山口にも手応えがあった。「真っすぐなら捉えられる自信があった」。打ち損じていた直球を狙い打ちした。通算本塁打は「7、8本目だと思う」という伏兵が劇弾。指揮官も「熊本大会でもラッキーボーイ的存在。私の頭の中も真っ白になった」と称えた。

 熊本大会を前に調子を落とし、背番号は「13」。それでも腐らず、自宅の車庫で約1時間の素振りを続けた。以前は30分で「がむしゃらに何も考えずに振ってきた」。愚直にできたのは、野球を始めた頃から言われ続けていた父の康二さん(52)の「人よか、バットを振りなさい」という教えだ。熊本大会では打率・368と大暴れし、背番号は「3」に昇格。自宅での練習に付き添っていた康二さんも「本人を褒めてあげたい。夢のような感じ」とアルプススタンドで目を細めた。

 春夏合わせて42度目の聖地。夏は6年ぶりの白星となり、史上18校目の通算30勝に到達した。「今日みたいに粘り強く戦っていきたい」と山口。伝統校が令和初のサヨナラ勝ちを収め、勢いに乗った。(杉浦 友樹)

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