【市川いずみの届け夏エール】山梨学院 佐藤裕士君 天国の母との約束果たした「甲子園に行くからね!」

[ 2019年8月11日 05:00 ]

ベンチから味方を鼓舞し続けた山梨学院・佐藤(左)(撮影・後藤 大輝)   
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 山梨学院の佐藤裕士君は1球も投げることなく聖地を去りました。大会開幕直後に右肘に違和感を覚え疲労骨折が判明。この日のマウンドは幼なじみの相沢君に託しましたが、どうしても頑張っている姿を見せたい人がいました。中学1年の時にガンのため他界した母・理英子さんです。

 「ずっとくっついていました」と話すように大のお母さん子。少年野球の時には大好きな唐揚げが入ったお弁当を持たせてくれたといい「甲子園に行くからね!」の約束はしっかりと果たしました。

 アルプスで観戦した父将人さんは「ここに来る選手になるとは」と感慨深げ。毎日深夜1時頃まで家事をしてくれた父の親子丼は「かなりおいしい」と裕士君。支えてくれた父には「感謝しかありません」と改めてお礼をいいました。

 大切にしている母からの手紙には“大きく成長してね”の言葉が添えられています。投げられなくても終始、相沢君に寄り添い励まし続けた姿を理英子さんも喜んでくれたはず。帰郷後、すぐに母のもとを訪れ「育ててくれてありがとう」と報告するつもりです。

 ◆市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。高校野球検定に合格し、自宅に甲子園の土を飾るほど生粋の高校野球好き。

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2019年8月11日のニュース