松村雄基 20年介護した祖母の死去「正直ホッとした」 18歳からヤングケアラーの生活に「悔いはない」

[ 2023年2月22日 17:16 ]

松村雄基
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 俳優の松村雄基(59)が21日放送のNHK Eテレ「ハートネットTV」(月~水曜後8・00)に出演。18歳の時から20年間の長きにわたって祖母を介護してきた日々を振り返り、ヤングケアラーたちへ“熱い”メッセージを送った。

 松村は幼い頃から父方の祖母と二人暮らし。幼少期から大正生まれだった祖母の厳しいしつけを受けて育ち、親がいなくても寂しいと感じたことは一度もなかったという。そんな松村は高校2年生でドラマデビューを果たし、人気俳優への道へ。しかし高校3年の時に祖母が脳梗塞で倒れ、半身マヒと言語障害の後遺症が残ってしまいヤングケアラーとしての日々を過ごすことに。

 近所に住んでいた叔母家族のサポートもあって役者と介護を両立する生活を長年送っていたが、祖母の認知症の症状が進んでしまったことで叔母家族と一緒に住むことを選択。だが、認知症が次第に家族では“手に負えない状況”となり特別養護老人ホームへの入居を申し込むことになった。

 松村は当時について「叔母たちと一緒に住めば、何とか危険を回避できるとは思ったんですけど、そうなると24時間態勢で祖母と向き合わなければならなくなる。自分が休む時間でも叔母が困ってないかとか、祖母が何か言っているのが聞こえてきたりするので安心しては寝られない。つまりずっと24時間祖母と向き合うことになる。その状態が続くと何が辛いって感情をぶつけ合ってしまうんですね。優しくいられない。このままでは祖母にも僕らにも良くないなと思って、特別養護老人ホームへの入居を申し込みました」と明かした。

 この選択について松村は「結果的にはプロの方のサポートを受けて(僕も)優しさを取り戻すことができた。祖母もすごく穏やかになっていきました。ちょっとでも祖母の事を考えなくていい時間が出来たことで、こんなにも優しく接することが出来るんだなと思って…ヤングケアラーとしての20年の中で一番穏やかな日々だったかもしれません」と振り返った。

 その後、祖母は2000年8月に亡くなることになったが「正直ホッとした気持ちが一番にきました。色々な事が大変だったということもあるんですけど、これから先は祖母が苦しむ姿を見なくていいと。トイレを心配して眠れなかった日々などがもう二度とないんだなって。(祖母には)お疲れ様といった気持ちでした。僕らは出来る限りのことはしたと思っているので悔いはなかったです」と語った。

 最後に今現在もヤングケアラーとしての日々を送る若者に対し「(僕から)ヤングケアラーに言いたいのは、思いつめないでほしいということ。苦しい時は苦しい、辛い時は辛いと言って下さい。誰でもいいですから周りには必ず支えてくれる人たちがいるし、言う事は恥でも情けないことでもないです。(辛い時こそ)みんなで分かち合ってほしい。自分の夢を諦めないで、夢をしっかりと持ちつつ出来ることを精いっぱいやっていってほしいなと思います」と訴えかけた。

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2023年2月22日のニュース