笑福亭笑瓶さんの命を奪った大動脈解離とは 7年前にもゴルフ場で倒れる 21年には三浦建太郎さんも

[ 2023年2月22日 14:32 ]

笑福亭笑瓶さん
Photo By スポニチ

 べっこう色の眼鏡がトレードマークでバラエティー番組などで活躍した落語家でタレントの笑福亭笑瓶(しょうふくてい・しょうへい、本名渡士洋=とし・ひろし)さんが22日午前、急性大動脈解離のため死去した。66歳。大阪府出身。 通夜は26日午後6時、葬儀・告別式は27日午後0時半から、いずれも東京都中央区築地3―15―1の築地本願寺第二伝道会館で執り行われる喪主は妻・渡士智子(とし・さとこ)さん。

 スポニチ本紙の取材では21日に自宅で倒れ救急搬送。急性大動脈解離と診断され、治療を受けたが、22日午前に息を引き取った。家族がみまもる中で静かに旅立ったという。

 2015年12月には千葉県のゴルフ場で同じ大動脈解離で倒れ、ドクターヘリで搬送されて治療を受けていた。この時はプレー中に突然「胸が痛い」と訴え、一緒にコースを回っていたゴルフ仲間の神奈月が介抱した。その後、約3週間入院し、回復。最近では16日にレギュラー出演しているBS-TBS情報番組「噂の!東京マガジン」の収録に参加。12日の放送分でも元気な姿を見せていただけに仕事関係者の間に驚きが広がっている。

 大動脈解離とは、大動脈の内壁に亀裂が入り裂ける病気。本来流れていない場所に血液が入り込み、胸や背中に激しい痛みが走る。大動脈剥離とも呼ばれ、循環器疾患による突然死としては心筋梗塞に次いで多いとされる。解離が起きて2週間以内の時期を「急性大動脈解離」と呼ぶ。放置すると死に至ることもある非常に危険な病気だ。原因の多くは高血圧によって動脈の壁が劣化することといわれている。突然発症する場合が多く、車の運転時に襲われ事故につながる例も少なくない。福田医院(横浜市)の福田伴男院長は「多くの場合、高血圧や動脈硬化など何らかの予兆があるもの。もし運転中に発症したら、意識があればできるだけ安全な場所に止め、助けを求めてほしい」と話している。一度発症すると、いつまた解離が起きるかの経過観察が必要で、一生フォローが必要な病気といわれている。

 最近では2021年5月、人気漫画「ベルセルク」の作者、三浦建太郎さんが54歳で急性大動脈解離で死去。2017年7月には俳優の中嶋しゅうさん(享年69)が舞台出演中に発症。突然ふらついてステージから転落し病院に搬送されたものの死亡が確認された。タレントの大木凡人は15年1月に発症。1週間ほど胸が苦しい状態が続いた後、突然胸の激しい痛みに襲われ自ら119番した。

 笑瓶さんは1980年に大阪芸術大を卒業後、笑福亭鶴瓶(71)のラジオ番組「鶴瓶・新野のぬかるみの世界」のトークに魅せられ、弟子入り。バラエティー番組「突然ガバチョ!」など、関西で活躍した後、東京に進出。「ものまね王座決定戦」で「魔法使いサリー」のキャラクター「よし子ちゃん」のものまねを披露して人気に。「噂の!東京マガジン」をはじめとしたバラエティー番組でもお茶の間に親しまれた。ものまねのレパートリーは広く、「ヤッターマン」のボヤッキー、ウィッキーさんなどで明るい笑いを届けた。

続きを表示

この記事のフォト

2023年2月22日のニュース