阪神 湯浅が新守護神!開幕4連敗&ケラーまたセーブ失敗で矢野監督決断 有事備えOP戦では抑え起用済み

[ 2022年3月30日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2-3広島 ( 2022年3月29日    マツダ )

<広・神>9回1死満塁、湯浅は西川にサヨナラ打を浴びる(撮影・大森 寛明)
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 初白星がどこまでも遠い…。阪神は29日の広島戦で昨季は一度もなかったサヨナラ負けを喫し、27年ぶりの開幕4連敗。20年7月15日以来622日ぶりの単独最下位に転落となった。抑えのカイル・ケラー投手(28=パイレーツ)が開幕戦に続いてセーブ失敗。矢野燿大監督(53)は、30日から湯浅京己投手(22)を新守護神として起用することを明言した。

 2―1の9回1死満塁。5番手・湯浅が2球目の直球を西川に思い切り振り抜かれた。打球が右翼・佐藤輝の頭上を越えた瞬間、開幕4連敗が決まった。

 矢野監督の4年目の船出には、あまりにも過酷な試練が待っていた。「それ(1勝する難しさ)はもちろん、重々感じています。簡単に済ますつもりはもちろんないけど、簡単なことでは済まされないと分かった上でも、それ(切り替える)しか今やれることないんで、やるしかない」。大きなショックが残る幕切れにも、指揮官は努めて前を向いた。

 「空振りも取れるボールがないし、どうしても一人に対する球数も増えてきてしまっているので。状態的にはやっぱりまだしんどいかな、というところ」

 誤算はやはりケラーだった。先頭のマクブルームにカーブを右前打され、代走・曽根に二盗を許した。会沢を空振り三振でなんとか1死も、続く上本には直球も変化球もことごとくカットされ、12球目で粘り負けの四球を与えた。空振りが取れない点は、守護神としては致命的だ。代打・長野には自身のまずい守備もあって(記録は内野安打)満塁とされ、ベンチからタオルが投げ込まれた。25日の開幕ヤクルト戦に続き、1点リードの9回を締められなかった。

 6日に来日したばかりの右腕を見切り発進覚悟で新守護神に指名した矢野監督だが、泣いて馬謖(ばしょく)を斬った。試合後には「ケラーは後ろというのは外す。現状、湯浅でいこうかなと」と22歳右腕を新守護神に指名した。

 サプライズ抜てき…ではない。150キロ超の直球にフォークを持ち、制球力も安定と適性十分。指揮官は今春キャンプ中から「去年から勝ちパターンでも使いたいくらいの印象は持っていた」と高く評価し、“ポスト・スアレス”の候補として名前を挙げていた。すでに16日のソフトバンクとのオープン戦で抑え起用して有事に備えており、そのカードを切った格好だ。

 チームのサヨナラ負けはエドワーズが打たれた20年11月1日DeNA戦以来。絶対的守護神・スアレスが君臨した昨季は一度もなかった。開幕4連敗は95年以来27年ぶりで、単独最下位転落は20年7月15日以来622日ぶり…。目をそらしたくなるデータばかりが掘り返された。まずは1勝。全てはそこからだ。(山添 晴治)

 《27年ぶり開幕4連敗》阪神の開幕4連敗は95年の球団ワーストタイ(過去3度)5連敗以来27年ぶり。サヨナラ負けは20年11月1日のDeNA戦(横浜、敗戦投手=エドワーズ)で喫して以来513日ぶり。昨季は守護神スアレスの力投で70年以来51年ぶりのサヨナラ負けなしだった。DeNAが今季初勝利を挙げたため、チームはリーグ唯一の未勝利。単独最下位になったのは20年7月15日以来622日ぶり。

 《球団最年少セーブは山崎一玄の20歳8カ月》阪神の最年少セーブは93年4月15日ヤクルト戦で山崎一玄が記録した20歳8カ月だが、同年の山崎はこの1セーブのみ。23歳シーズンの湯浅が抑えとして2桁セーブを挙げれば、チームでは85年に19セーブを挙げた中西清起と並ぶ“最年少守護神”となるが、どうか。

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2022年3月30日のニュース