阪神・西勇 今季初勝利お預けも1失点粘投 「我慢比べ」で低めの制球に手応え

[ 2022年3月30日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2-3広島 ( 2022年3月29日    マツダ )

<広・神>3回、菊池涼のバントの打球を捕り一塁にグラブトスする阪神・西勇輝(撮影・奥 調)
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 先発の阪神・西勇は今季初勝利こそお預けとなったが、粘りの投球で勝利への執念を示した。6回2/3を投げ、4安打1失点。最少失点で踏みとどまり、今後への手応えを口にした。

 「粘りながらというか、我慢比べでした。相手も我慢強く(低めを)振らないって決めていた。それが逆に、良いふうに低めに投げ切れていたので、このまま継続していけばいいかなという感じ」

 3回1死二塁から小園に内角低めのスライダーを右前に運ばれ、先制点を献上した。だが、そのまま崩れることはない。続く松山の打席で一塁走者・小園をけん制で刺し、自らの手でピンチの芽をつみ取った。その後、松山には右前打を打たれたが、坂倉を二ゴロに仕留めて難を逃れた。

 4回以降はギアを上げた。4、5回に許した走者は四球の2人のみ。逆転に成功した直後の6回は、相手5、6、7番を3者凡退に仕留めて流れをたぐり寄せた。7回1死から代打・宇草を左飛に抑えて降板したが、先発としての役割は果たした。矢野監督からも「よう粘ってくれた。立ち上がりから球数も増えていたし、よくあのイニングまで投げてくれた」と称えられた。

 全108球のうち、およそ8割をスライダー、シュート、チェンジアップなどの変化球が占めた。昨季は持病のぜんそくや右肘のコンディション不良、寝違えなど、たび重なる故障に悩まされ、6勝9敗と悔しいシーズンに終わった。白星にこそ恵まれなかったが、この日は巻き返しに向けて上々のスタートと言えた。「これ(サヨナラ負け)も結果やし、続けて良いピッチングというのも(しながら)」。気持ちを切り替え、次の登板に向かう。(長谷川 凡記)

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2022年3月30日のニュース