ソフトバンク　ドラ4・野村勇　プロ初盗塁&神走塁で開幕4連勝呼んだ!藤本監督「見事」3連発

パ・リーグ   ソフトバンク2－1ロッテ （ 2022年3月29日    ZOZOマリン ）

＜ロ・ソ＞10回、今宮の内野ゴロで、野村勇が生還（撮影・久冨木　修）　　　　　　　　
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　足の切り札誕生だ。ソフトバンクは29日、ドラフト4位ルーキーの野村勇内野手（25）が延長10回、決勝のホームを踏みロッテに2―1で競り勝った。無死一塁で代走に起用され、果敢に二盗した韋駄天（いだてん）は中飛で三塁まで進み、強い当たりの三ゴロで本塁に突っ込み野選を誘った。チームは2年連続の開幕4連勝を飾った。

　左手がタッチをかわした。同点の延長10回1死三塁。三塁走者・野村勇は今宮の三ゴロでギャンブルスタート。気迫のヘッドスライディングで突っ込んだ。リプレー検証後、審判が再び横に手を広げると海野と抱き合って大喜びした。

　「微妙でしたけど、キャッチャーの体勢を見ていけると思った。（ホームは）ヘッドの方が速いと思っているのでヘッドでいって、良かった」

　10回無死一塁で代走出場し警戒される中で3球目に異次元のスタート。悠々と二塁を陥れプロ初盗塁をマークした。「狙っていたのであのタイミングいけて良かった。緊張はしていたけど何とか体が動いてくれた」。ガルビスの中飛でのタッチアップも余裕だった。

　アマチュア時代はイチロー氏（現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター）や赤星憲広氏（元阪神）の走塁を動画で研究。宮崎春季キャンプでは周東よりも速い盗塁タイムをマークした。開幕1軍をつかんだ野村勇は「いきなり緊張した場面で代走があると思うけど、オープン戦の感じでいけば大丈夫。プロに入る前からタイムには自信があるし、思い切ってスタートを切りたい」。代走で一番必要な心の準備は完璧だった。

　2度の盗塁王に輝いた本多内野守備走塁コーチも50メートル5秒8の快足に目を細める。「何よりもスタートが速い。まずは試合での感覚が一番大事。試合でタイミングを図って感覚を養ってほしい」と期待を掛けていた。

　20年7月10日の楽天戦以来、627日ぶりの延長戦勝利で開幕4連勝を飾った藤本監督は「見事やったね。内野ゴロであの走塁というのは見事。1番大事なところでの走塁。見事」と「見事」を3連発し大絶賛した。

　一発勝負の舞台でダイヤモンドを駆け回った野村勇は「代走での起用が多いので、期待に応えられて仕事できたのかな」。新たな鷹の韋駄天（いだてん）が幕張に衝撃を残した。（福井　亮太）

　《娘が記憶に残るまでプロでプレー誓う》
　【記者フリートーク】野球に熱く、普段はあまり笑みを見せない野村勇にはもうひとつの顔がある。新人唯一の「パパルーキー」で家に帰れば生後6カ月の長女がいる。契約金でボールや観覧車のおもちゃをプレゼントし、「癒やしの時間です。機嫌が悪いと大変ですけどね。観覧車を使って遊んでくれています」と父親として笑顔があふれる。25歳の遅咲きルーキー。「プロになった以上、娘の記憶に残るまでプレーして、格好いいお父さんの姿を見せたい」。ヘッドスライディングで土が付いた姿は愛娘にとって、一生の宝物になるはずだ。（ソフトバンク担当・福井　亮太）